マリーナベイ・サンズは、シンガポールの統合型リゾートの拡張に向けた準備が続く中、債権者と約87億SGドル(約7,133億円)の融資契約を結ぶため2回目となる契約修正書を交わした。
当初2012年6月25日付けで交わされ、その後2020年6月18日に修正された融資契約に関するこの修正は、マリーナベイ・サンズ(MBS)が特定の財務制限条項に準拠した要件の免除期間となる2022年12月31日まで1年延長されると、親会社のラスベガス・サンズ(LVS)が突如として述べた。
これには、積算士によるMBS拡張プロジェクトの建設費の見積もりと建設工程表の提出期限が2022年3月31日まで延長となることも織り込まれている。
45億SGドル(約3,689億円)掛けた拡張工事の中に、4つ目となるホテルタワーの開発が含まれており、そこにはスカイプールや特別レストランなどの「屋上アトラクション」、会議室や多目的ルーム、展示ホールを有するMICE施設、および1万5,000人以上が収容可能な最新のライブエンターテインメントアリーナが備わる計画である。
MBSは追加の1,000台のゲーミング機(合計で3,500台)の設置と、ホテルタワー1の55階部分全体のカジノフロアへの改装が承認されることになっており、また必要に応じて2,000平方メートルのカジノゲーミングエリアを追加購入するための引当金が付いてくる。
融資契約の最新の修正により、MBSは連結調整EBITDAに対する債務の比率が4.25対1以下、または営業年度ごとに最大5億SGドル(約410億円)の場合、無制限の配当支払いを行うことも許可されることになる。また債務比率が4.25対1を超える場合は、追加要件に従うものとする。
LVSは7月に、新型コロナの感染拡大により2021年の大半で一部工事の進行に遅れが生じており、このためMBSの拡張開発のが、完了期限の2025年に間に合うかどうか不明であると明らかにした。