先日クラウン・リゾーツのCEOに任命されたスティーブ・マッキャン氏は、ビクトリア州と西オーストラリア州でライセンス保持が不適切であるとの判決が出た場合には、同社カジノを他の事業者にリースすることを検討するつもりだと述べた。
しかし、そのようなオプションは、同社にとって最も望ましくない選択の1つと見なされている。というのも、10月に王立委員会のレイ・フィンケルスタイン氏がビクトリア王立委員会からの調査結果を伝える際、適切な判断がなされるか、または適格性を獲得するチャンスが貰えるかという望みを同社はいまだ持っているからだ。
マッキャン氏のコメントは、先週、同社が2億6,160万豪ドル(1億9,120万米ドル)の損失を報告した21年度決算発表後、シドニー・モーニング・ヘラルド誌に掲載された。
また、米国のグローバル資産管理合資組合オークツリー・キャピタル・マネジメントLPとのクラウン株の取得に関する協議は、同社の先行き不透明感の深まりにより中止されたことが明らかとなった。
メルボルン、パース、シドニーにある同社カジノの1つまたはすべてを外部事業者にリースする見通しについて尋ねられたマッキャン氏は、SMHに次のように語った。「明らかに、我々はさまざまなシナリオを予測し、提示されたシナリオに対応するための十分な柔軟性が必要である。
とはいえ、統合型リゾートの運営はすべてを一緒に行うことでより合理性を増すため、このシナリオがすべての人にとって最適な策ではないかもしれない。理想的なシナリオではないが、我々がある方向へ向かわなければならない場合には排除するものではない」。
同氏はまた、オークツリーや他の入札者との交渉が決裂したにもかかわらず、クラウンとその資産の価値には依然として関心があると主張した。
ジェームズ・パッカー氏のコンソリデーテッド・プレス・ホールディングスが所有する37%の株式のクラウンによる購入に資金を提供する契約を提案したオークツリーは、米国のヘッジファンド大手のブラックストーン・グループとオーストラリアのカジノ事業者のスターエンターテインメントグループに並び、公にクラウンと関心を表明した3社のうちの1社であった。
クラウンは5月にブラックストーンの完全買収の申し出を拒否し、スターは7月に合併提案を撤回した。そして同社は以下の懸念を表明した。「ビクトリア州王立委員会でクラウン・メルボルンに提起された問題は、メルボルンのカジノを運営するためのライセンスを保持しているかどうか、またはライセンス保持下での条件を維持するかどうかを含め、クラウンの価値に重大な影響を与える可能性がある」。
マッキャン氏は3日(金)に、「さまざまな体制について多くのインバウンド調査が行われている。そのうちのいくつかはすでに公開されている。」と述べたが、そのような体制が将来どのくらいの見込みがあるかは王立委員会の結果次第と述べた。