NIKI Chyau Fwu (Parkview) Group(ニキ チャウフー パークビュー グループ)が、長崎での統合型リゾート事業者公募で県に提出したイメージ図には、隣接するハウステンボスと調和するような建物群や、木材を使用した特徴的な外観、建物群の上一面を覆う太陽光パネルなどが提案されていた。
これらの図はNIKIが長崎県及び国の認定を得た場合に実現されるものであった。だが、事業者選定の最終審査では、697ポイントを獲得したカジノオーストリアが優先交渉権者となり、次点はオシドリの682.8ポイント、ニキ・チャウフー(パークビュー)グループは、667.1ポイントとなり願いは叶わなかった。
8月30日には、カジノオーストリアは長崎県と基本協定を締結。ことし10月から来年4月までが期限である国への申請に向けて調整を重ねている。
NIKIが目指していたIRのイメージ図を見て、まず目につくのは木工細工のような網目構造の外観だ。NIKIは以前、コンソーシアムに木造建築が得意な地元事業者がいると話していた。その事業者を活用するつもりだったのであろう。
次に、メインのホテル群に目を向けると、一際高くそびえる円柱形の「スーパーラグジュアリーホテル」を中心に、断面が三角と四角の施設が立っており非常に興味深い。
ホテルの下に広がる商業施設などはヨーロッパ調で、隣接するハウステンボスの雰囲気に近く、ハウステンボスとの調和を重視した設計となっていることが伺える。
商業施設の上に広がる屋根状の部分には、一面に太陽光パネルが設置されており、カーボンニュートラルを目指す昨今の風潮を強く意識していることが感じ取れる。また、屋根部の下には、近未来的なロープウェイが走っている姿も描かれている。イメージ図では全体的に天井が高く、空間が広く使われており非常に開放感を感じる作りになっているように見える。
NIKIグループは、今回の事業者選定の審査手法に問題があるとして再審査を訴えている。NIKI側は長崎県から「廉潔性調査に懸念がある」旨を伝えられたが、その調査結果に納得せず、調査会社の名称と調査結果の詳細を同社に公開すること要求したが県には認められず、県に「公募からの辞退をするか、もしくは辞退しなければ廉潔性調査の結果を公表する」と迫られたと主張している。今回、オシドリも事業者選定に関して、同様の主張をして抗議している。
これに対し県側は「募集要項にも書いてあり、調査会社との契約もあるので公表はできない。あくまで公平・公正な審査を行った」と述べている。