サンシティグループのベトナム統合型リゾートのホイアナは、21年上半期のゲーミング粗収益がわずか1,360万米ドル(約15億円)を記録。これは前四半期から回復したものの、アジア地域のリゾート観光地における新型コロナの継続的な影響を明確に示している。
最新情報はサンシティの2021年上半期の決算発表の一部であり、その中で、香港の上場企業が前年比99%増の3.2億人民元(約54.5億円)の利益を記録したとわかった。この増加は、事実上現金ではなかったが、代わりにデリバティブ金融商品の公正価値の変動による利益4億4,940万人民元(約76.5億円)および非継続事業からの利益1億4,710万人民元(約25.7億円)によるものである。調整後EBITDAは3,370万人民元(約5.7億円)の損失となった。
2020年半ばにソフトオープンしたホイアン近郊のサンシティの合弁事業であるホイアナは、開業以降、新型コロナの影響を受けている。上半期のGGRは1,300万米ドル(約14億円)で、2020年下半期のGGR総額がわずか590万米ドル(約6.4億円)だった時からの回復となる。上半期の収益の大半が、VIP収益からの890万米ドル(約9.7億円)によるもので、マスゲーミングテーブルからは270万米ドル(約3億円)、EGMからは140万米ドル(約1.5億円)であった。非ゲーミングの収益は合計160万米ドル(約1.7億円)となった。
サンシティがサミット・アセント・ホールディングスの支配持分により実質的な持分を保有するロシアの統合型リゾートティグレ デ クリスタルでは、GGRが1億3,910万香港ドル(約19.6億円)、調整後EBITDAは1,720万香港ドル(約2.4億円)となった。
同社によると、21年上半期の旅行関連の製品とサービスの収益は6,770万人民元(約9.5億円)から2,700万人民元(約3.8億円)に大幅に減少し、不動産開発からの収益はなかったと伝えた。
同社のアルヴィン・チャウCEOは、以下のように述べている。「過去20年間で、アジア地域におけるゲーミング業界の急激な成長や景気後退、レジャーとエンターテインメントへの移行を目の当たりにしてきたが、これらはいずれも現在のパンデミックに少しも匹敵するものではなかった。というのも国境が封鎖されることなど完全に新しい現象であるからだ。
我々のコア戦略は、パンデミックと市場の変化によりもたらされる課題に適応するための柔軟性を維持しながら、手元資金と流動性を確保することである。
新型コロナ収束後には、アジアのエンターテインメント部門の来世が待ち受けている。なぜなら、困難は人を強くするからだ」