8月22日(日)に投開票が行われた横浜市長選挙の結果、IR反対派で横浜市立大学元教授の山中竹春氏が当選。この結果により横浜IRの夢は終わりを迎えたようだ。
立憲民主党の推薦、共産党の支持を得ていた48歳の山中氏は、横浜IR誘致の話は終わらせると公約に掲げており、カジノは「毒リンゴ」と発言していた。
最終得票数については、山中氏は50万6,392票、つまり33.59%を獲得し、選挙前の大本命であった小此木八郎氏が32万5,947票(21.62%)、現職の林文子市長が19万6,926票(13.06%)となった。
ベイシティベンチャーズ ・マネージング・ディレクターの國領城児氏は、22日(日)の夜遅くに行われた選挙に関し、IAGに次のように語った。「山中氏が時折見せるIR反対への過度な姿勢は、市内の不人気な政策に終止符を打つのを立証するには効果的であった。同氏は、現在の新型コロナ危機を乗り越え横浜市をリードしていくのに最も適任であることを示すため、データサイエンスとワクチン研究の自身の経験を強調しながら、時代に即した経歴の全てを並べた。
突然の権力交代がない限り、これは[横浜IRにとって]少なくとも今後4年間は中止となる。依然としてIR誘致の存続を期待する多数の自民党市議らは、その36人のうち過半数となる30人が小此木氏のIR反対を公に支持したという事実を見さえすればいい。これらの市議達が、IR開発政策に自身の議員キャリアを賭けるつもりがないということは明確である。
[2位]の小此木氏は、同氏を不人気な菅首相の支援による候補者と見なした無党派票を失ったため、最強の組織的な政治支援を十分に受けることができなかった…尚、菅政権の支持率は歴史的に低く、 最近の世論調査では30%を下回っている。横浜でのこの「敗北」は、今年の11月28日までに行われる最も重要な衆議院総選挙に先立ち、自民党議員らに党首交代を真剣に検討することを確実に強いることになるだろう。
[現職の市長とIR支持派]の林氏は、上位2人の候補者に圧力をかけるどころか、予想通りの3位となった。驚いたのは、彼女が組織的な政治的支援を欠いていたためか、首位争いよりも[4位]の田中氏と[5位]の松沢氏の獲得票数に近かったという事実だ。同氏は、地元経済界から一貫したIR賛成への姿勢と日本最大都市の最初の女性市長としての偉業に対するいくらかの同情を得て退任となる」。