Oshidori International Development 合同会社(オシドリ)は、長崎での統合型リゾート事業者選定の際、「大村湾の帆」と名付けられ、そよ風に揺れる船の帆をイメージしたランドマークとなる建築を提案していた。
Inside Asian Gamingは、オシドリが日本IRへ提案したコンセプト図を独占入手した。この図はオシドリが長崎県及び国の認定を得た場合に実現されるはずであった。しかし、オシドリは不合理な制約とRFPプロセスに関する倫理的懸念を理由に8月6日に撤退を示唆する発表をした。
その数日後にカジノオーストリアが長崎県の優先交渉権者に選定され、2022年4月28日までに国に提出する区域整備計画の準備を進めていく予定である。長崎県の発表によると、県が定めた審査講評ではカジノオーストリアは697ポイントを獲得し、オシドリは撤退したにもかかわらず、たった2%の差の682.8ポイントで次点となっている。3番手となったニキ・チャウフー(パークビュー)グループは、僅かに下がり667.1ポイントとなっている。
長崎県RFPでの要件を基に「日本に前例のない、規模と品質」のコンセプトが作成されている。大村湾リゾートの帆のデザインは、帆をイメージしたタワー(セイルタワー)が特徴的で、風の力によって形成された一連の流れる帆と長崎県の帆船祭りからインスピレーションを得てデザインされている。
「夜に輝くダイヤモンドの海」を彷彿させる10万点の光が照らされているセイルタワーは、環境にやさしく、実際の船の帆の動きをリアルに反映する高度な技術を有する素材で構成されている。
同社は「セイルタワーは、非常に重要で象徴的な隣接施設であるハウステンボスのドムトールンタワーと調和と共調のとれた建築のランドマークとなるであろう」と述べている。
「運河との重要な関係性により、各タワーは、湾のそれぞれの境で独自の言葉と時間をもたらすランドマークとして存在することができる。
セイルタワーの象徴的なデザインは、長崎の過去と未来の誇り高い都賀なりを示すことにより、地域、国内また世界的なプラットフォームで九州/長崎の存在感を更に確立する」。
IAGは、長崎県に3者のコンセプト図の公開を依頼したが、カジノオーストリアとの協定締結後までは情報公開はないとの回答であった。次に長崎RFP最終まで残っていた3者-カジノオーストリア、オシドリ、ニキ・チャウフー(パークビュー)グループにコンセプト図との公開を依頼したが、オシドリだけが唯一公開し、カジノオーストリアは県の対応と同様であり、NIKIについては現時点での公開はないとのことであった。
実際は、カジノオーストリアは先週の長崎IR優先交渉権者選定についてのプレスリリースの際に画像を提供している。それらには9,000平米のカジノに220台のゲーミングテーブルと2,200台のスロットマシンが設置されること、またハイアットホテルグループの一部を含む8軒のホテルが含まれるとある。

これらのコンセプト図だけを比較すると、オシドリの提案はカジノオーストリアの提案より非常に有利に見えるが、長崎県の支持を勝ち取るには十分ではなかったようだ。
