クラウン・リゾーツは、クラウン・メルボルンのカジノライセンスが取り消された場合、カジノマネジメント契約に基づき、新しい事業者に同カジノを転貸することを認めた。しかし、同社はそれが公共の利益につながらず、債務不履行の原因となる恐れがあると主張している。
オーストラリアのカジノ大手である同社は8月11日(水)、ビクトリア州王立委員会に全ての最終提出物を提出したと発表。その中には、レイ・フィンケルシュタイン委員の質問に関する2021年8月9日付けの追加の書面提出物も含まれている。この質問では、カジノライセンスが取り消された場合、クラウン・メルボルンの複合施設のどのエリアを転貸する必要があるのかが問われた。
同氏は、同社がカジノだけでなく、クラウン・タワーの主要ホテルも転貸する必要があるかもしれないと示唆した。
同社は追加提出物の中で、カジノマネジメント契約に基づき、同州が同社に新たなカジノ事業者への「メルボルン・カジノ」の転貸のみを要求できることを認めた。このメルボルン・カジノとは、「メルボルン・カジノ複合施設のうち、カジノを構成し、マネーカウンティング、監視、保管、その他ゲームの実施やプレイに関連する活動が行われるエリアを含む」と明記されている。
同社はまた、「ライセンスの取り消しとそれに続く転貸の要求は、当社の最終提出物で述べられた理由により公共の利益にならず、また当社の負債施設の下で債務不履行を引き起こす可能性が極めて高い」と主張している。
同社弁護士のマイケル・ボルスキー氏は8月3日(火)の最終提出物の中で、同委員会が「ゲーミング事業と非ゲーミング事業を効率的に、あるいは現実的に分離できると仮定すべきではない」と主張していた。
「当IRが解体された結果、顧客、従業員、ステークホルダーへのサービスが低下し、ビクトリア州へのサービスも大幅に低下すると考えられる」と同氏は述べている。
また、クレディ・スイス・オーストラリアは、同社が同州のカジノライセンスを失ったことでメルボルンの資産を解体しなければならなくなった場合、その資産の価値は、継続企業としての37億5,000万豪ドル(約3050億円)から構成資産としての17億2,000万豪ドル(約1400億円)まで、20億豪ドル(約1630億円)以上も下落するだろうと述べている。