新型コロナウイルス感染拡大により、パチンコ業界が引き続き打撃を受け続けている。
パチンコホール向け関連機器メーカー大手のダイコク電機が7月に刊行した「DK-SIS白書2021年版-2020年データ-」によると、2020年のパチンコ業界の市場規模は総売上14.6兆円（前年比5.4兆円減）、総粗利2.35兆円（同8,900億円減）。売上規模と粗利規模は、対前年比27％減となった。
遊技業界の専門メディア「Amusement Japan 」を発行する（株）アミューズメントプレスジャパンの執行役員常務である田中剛氏に話を聞くと、パチンコ業界の市場規模減少の理由はコロナだけではないという。
「高射幸性遊技機の撤去が進んだことも大きいでしょうね。ツマらなくなったと感じるプレイヤーも多いでしょう。その根拠は、コロナ禍の2020年にパチンコ・パチスロプレイヤーの減少が大きかったセグメントは高齢者でなく、若年層なんです」
市場の縮小について同氏は「パチンコ産業の市場縮小は新型コロナ感染拡大のずっと前から始まっていることです。その原因は、第一に、プレイヤーが勝ちを体験しにくくなった。第二に、規則変更により大勝ちを体験できる高射幸性機が店舗からなくなってきた。第三に、他のレジャーと比較して遊ぶのにお金がかかりすぎるものになった。そこに新型コロナウイルス・パンデミックが重なり、2020年には遊技参加人口が減少しました。パチンコホール市場が縮小したのは当然です」と説明する。
また、ベテラン業界関係者の1人は「パチンコ業界が上向きになる兆しはある」と語る。
「市場規模は確かに小さくなっている。もしかすると27%よりも縮小してるのではと感じるぐらいだ。大手などではない場合、ホールは新台入替や古くなった設備の交換などの設備投資も厳しい所もあるだろう。ただパチンコについては現時点での人気機種が出てきたりと少し上向きになる兆しが見えてきている。パチスロについては、もう少し時間が掛かるのではないかと思っている」。
