サンズ・チャイナは、2021年6月30日までの3ヶ月間で、純収益が3月期比10.1%増の8億4900万米ドル(約936億円)、調整後のEBITDAが32%増の1億3,200万米ドル(約146億円)となり、好調を維持している。
この結果は、新型コロナウイルスが急激に拡大していた20年第2四半期に、マカオ事業の収益がわずか4,000万米ドル(約44億円)に留まっていたのと対照的。
サンズ・チャイナは、21年第2四半期に1億6,600万米ドル(約183億円)の純損失を計上したが、20年第2四半期の5億4,900万米ドル(約606億円)、同年第3四半期の5億6,200万米ドル(約620億円)、同年第4四半期の2億4,600万米ドル(約271億円)、21年第1四半期の2億1,300万米ド約235億円)の損失と比べると着実に改善している。
サンズ・チャイナはザ・ベネチアン・マカオ、ザ・ロンドナー・マカオ、ザ・パリジャン・マカオ、サンズ・マカオ、ザ・プラザ・マカオの事業者。
第2四半期の大半で渡航規制が緩和されたことにより、ザ・ベネチアン・マカオの純収益はカジノ収益3億700万米ドル(約339億円)を含む3億9,100万米ドル(約431億円)となり、第1四半期の純収益3億4,000万米ドル(約375億円)と比較して、同社の収益のほぼ半分を占めた。調整後のEBITDAは1億800万米ドル(約119億円)に達している。
ザ・ロンドナー・マカオ(旧サンズ・コタイ・セントラル)の純収益は1億8,900万米ドル(約208億円)だったが、調整後のプロパティEBITDAは500万米ドル(約5億5,100万円)の損失となった一方、ザ・パリジャン・マカオの純収益は1億100万米ドル(約113億円)、EBITDAは損益分岐点となった。
サンズ・マカオでは、純収益と調整後のプロパティEBITDAの順に4,200万米ドル(約46億円)と1,300万米ドル(約14億円)、ザ・プラザ・マカオでは、1億2,500万米ドル(約138億円)と4,400万米ドル(約48億円)だった。
シンガポールでは、マリーナベイ・サンズの純収益が4億2,600万米ドル(約470億円)から3億2,700万米ドル(約360億円)に、調整後のプロパティEBITDAが1億4,400万米ドル(約159億円)から1億1,200万米ドル(約123億円)に減少し、21年第1四半期と比較してわずかに減少した。
ラスベガス・サンズの会長兼CEOロバート・ゴールドスタイン氏は、次のように述べた。「マカオ、シンガポール、ラスベガスへの旅行者数が増えつつあり、より多くの顧客を当社の施設に迎えることができ、この上ない喜びを感じている」。
「訪問客からの当社サービスに対する需要は堅調だが、特にマカオとシンガポールでは感染拡大による渡航規制が続いて旅行者数が制限されており、現在の業績に支障をきたしている…しかし当社は、市場全体における旅行・観光支出が最終的には回復すると確信している」。
サンズ・チャイナの親会社である同社は、第2四半期に2億8,000万米ドル(約309億円)の純損失を計上。これは3月期と同じだが、20年第2四半期の8億4,100万米ドル(約927億円)の損失からは大幅に改善している。純収益は11億7,000万米ドル(約1,290億円)、前年同期は6,200万米ドル(約68億円)、第1四半期は12億米ドル(約1,320億円)である。