シンガポール内務省は、家庭内でのソーシャルギャンブルを認める一方で、テレビゲームのミステリーボックスなどの景品に上限を設けるなど、一連のギャンブル法改正案を提案した。
7月12日(月)に発表された詳細な声明によると、同省は進化するギャンブル製品やビジネスモデルに直面しても、同国の法律や規制の有効性を保てるよう、ギャンブル関連の法律を今年に改正する予定。
今回提案された主な変更点の中には、一般市民からの意見を受け、家族や友人間で行われるソーシャルゲームに対する公営ギャンブル法上の免除が含まれ、これらは「法律上、明確に許可された」行為となる。
同省は、法と秩序を乱す恐れや社会的に害を及ぼす可能性がある場合にのみ禁止するという、ギャンブル法に対する実践的なアプローチを取ることを目指すと述べている。
オンラインのソーシャルギャンブルには適用されないが、同省は次のようにコメント。「家庭内での家族や友人とのギャンブルが多くのシンガポール人の間で社会的に容認されており、法と秩序が乱される懸念が少ないことを認識している。そのため、犯罪利用を防ぐための条件を設けて、家族や友人間での物理的なソーシャルギャンブルの免除を提案したい」。
「家族や友人の間で行われるソーシャルギャンブルは、法律に基づき明確に認められることになる。この免責事項を利用して違法なギャンブル行為を行うシンジケートに対しては、厳しく取り締まっていく」。
同省は、スマートフォンやゲーム機など、簡単に換金可能な高額景品を提供するビデオゲームやアーケードゲームにも注目。「ギャンブルとゲーミングの境界が曖昧になってきている」と指摘し、ミステリーボックス、アーケードゲーム、UFOキャッチャーに100シンガポールドル(約8,200円)の上限を設けることを提案している。これにより、事業者の規制負担を増やすことなく、高額賞金の誘引効果に対処できるとしている。
しかし、罰則規定の変更案では、すべてのギャンブルにおいて違法行為を行った場合、事業者は取扱業者やプレイヤーよりも重い制裁を受けることになる。
「抑止力を高めるべく、違法なギャンブルサービスを促進または運営する常習犯に対し、罰則の引き上げを提案する」と同省は述べた。「今のところ、その利用者に対する罰則の引き上げは提案していない。違法なギャンブルを行う取扱業者や事業者の取締りに力を入れていく」。
提案されている変更のポイントは、シンガポールの全法律でギャンブルの定義を統一し、既存と新規のギャンブル製品両方を網羅する「技術的中立性」を確保することにある。
同省は、2010年にリゾートワールド・セントーサとマリーナベイ・サンズがオープンして以来、統合型リゾートが成功を収めていることを指摘し、「シンガポールはギャンブルの規制において、厳格ながらも現実的なアプローチを採用している」と述べた。
「ギャンブルを全面的に禁止すると、地下に潜り、法と秩序にさらなる問題を引き起こすため、実際には現実的ではなく、望ましくもない。代わりに厳格な保護措置を講じた上で、一部のギャンブルを許可または免除している」。
「ギャンブルを規制する法律は、法と秩序を維持し、問題のあるギャンブルによって引き起こされる社会的被害を最小限に抑えるためにある」。