8月22日に行われる横浜市長選挙に立候補するとして、国家公安委員長を辞職した衆議院議員の小此木八郎氏は25日、横浜市で会見を開き、市長になれば、IR(統合型リゾート施設)の誘致計画を取りやめる考えを示した。
小此木氏は会見の中で、「依存症が心配だ、治安が心配だ、あるいは賭け事をやって負けたお金を街づくりに使うとは何事だという声があった」と述べ、「それに代わる政策をつくっていかねばならない」と強調した。
小此木氏は、現職の衆院議員(8期)。安倍政権時代から閣僚を務め、菅政権においても国家公安委員長、内閣府特命担当大臣(防災・海洋政策)、国土強靭化・領土問題担当大臣という要職にある。同氏の父は元通産相の小此木彦三郎氏。彦三郎氏は、かつて菅義偉首相が秘書として仕えた政治家。
一方、IR誘致に賛成する横浜商工会議所の上野孝会頭が24日の定例記者会見で、「横浜へのIR誘致を実現する人が市長として望ましい」と話した上で、小此木氏が市長選に出馬する意向を表明したことについては「びっくりした。IRも含めて具体的な政策を聞きたい」と述べたことを日本経済新聞が伝えている。
横浜市長選にはこれまで、横浜市議会議員の太田正孝氏(75)、元衆議院議員の福田峰之氏(57)、動物愛護団体代表理事の藤村晃子氏(48)が無所属での出馬を表明しており、IR誘致反対の立場をとる立憲民主党は、横浜市大の山中竹春教授(48)の擁立に向けた最終調整に入ったと伝えられている。現職の林文子市長は、態度を明らかにしていない。