証券会社バーンスタインが24日(木)に発表したレポートによると、ゲンティンが43億米ドル(約4,770億円)を投入したリゾートワールド・ラスベガス(RWLV)のオープンは、ラスベガス・ストリップを活性化し、新しい統合型リゾート開発ブームを引き起こす可能性を秘めていると述べた。
数時間後(ラスベガス時間の午後11時)に開業となるRWLVは、ストリップに10年ぶりに新規オープンする完全なカジノリゾートとなる。これは、ゲンティンが2013年にボイド・ゲーミング氏から3億5,000万米ドル(約389億円)で初めて土地を購入してから7年後のことである。
当初計画されていたアジアをテーマにしたリゾートに代わって、ヒルトンブランドの3つのホテルでエンターテインメント、飲食店、ブティック小売店や豪華な客室を提供する最高級且つモダンなホテルに生まれ変わった。
バーンスタインのアナリストであるヴィタリー・ウマンスキー氏、ルイス・リー氏、ケルシー・ヂゥー氏は、この変革は、新型コロナが大流行している最中のラスベガスが今まさに必要としているものであるとし、以下のように述べた。
「ラスベガスを一時的にゴーストタウンにした新型コロナ感染拡大の後、レジャーやゲーミング客が舞い戻り、大勢のコンベンション参加者がすぐにそのあとを追うだろうという期待と共に、この街は再び活気づく。すでに始まっているゲンティンの43億米ドルの賭けは、この強気な需要の回復の中にある。
資産の位置付けやその管理チーム、および提供するサービスの品質は、老舗のカジノ施設に新しい競争をもたらす。その結果、より良い、より活気に満ちたラスベガスとなるだろう。」
同社は、RWLVが隣接するウィンとベネチアンにも利益をもたらす可能性があるストリップの北端への往来を増やしつつ、ウィン、ベネチアン、ベラージオ、アリア、コスモポリタンなどのストリップに位置するハイエンド施設に対し競争機会を提供すべきであると述べている。
しかしRWLVが成功すれば、部分的に完成していたフォンテンブローの建設に加えその周辺の未開発用地の再開に向け刺激を与える可能性がある。
同社アナリストは、それらに完全に弾みがつけば、RWLVが「3億米ドル(約332億円)の高額」まで、少なくとも2億5千万米ドル(約277億)のEBITDAを生成できるはずであると見積もっているとし、以下のように述べた。
「リゾートワールド・ラスベガスはラスベガスへの積極的拡大であり、エンターテインメントと飲食に焦点を当てて需要を増加させるはずである。
当初は、2016年にリゾートワールドをオープンし、アジア/中国をテーマにしたリゾートとして開発する予定であった。しかし、ラスベガスの顧客の変革を含むさまざまなイベントにより、同社をモダンで高級な位置付けとし、エンターテインメントおよび食品/飲料をメインとした施設へと再考察がなされた。1990年代に流行したテーマ型施設の戦術は、ラスベガスではもはや不要であり、 必要なのは、品質、革新性、サービスである。同社はここでそれを提供するつもりだ。」