サウス・ショア・ホールディングスは、THE 13ホテルの唯一の実質的所有者である完全子会社ニュー・コンコルディア・ホテルの任意清算をマカオの裁判所に申請した。
今回の申請は、サウス・ショアが、今月初旬にある貸し手から32億8,000万香港ドル(約469億円)の未払いローンと利息の支払いの法的要求を受けるなど、溜まった債務を返済するよう圧力をかけられていることを受けたもの。
また、別の貸し手は先月、5億9,300万香港ドル(約85億円)の未払い金があるために、継続中のつなぎ資金融資の更新を打ち切り、さらには当初の融資契約に基づき、同社エンジニアリング部門を保有する子会社ポール・Y・エンジニアリング・グループの所有権を引き受ける権利を行使した。
6月22日(火)に取引停止を要請した同社はマカオ時間23日(水)の夜に、2009年3月30日にマカオで設立され、払込資本金25,000マカオパタカ(約36万円)を有するニュー・コンコルディア・ホテルの任意清算をマカオの裁判所に要請したと発表。
「子会社の債務と負債が清算された後、子会社の残りの資産は株主に分配される」と同社は述べた。
「取締役会は、任意清算の影響を評価し、さらに適切な法的助言を求める予定」。
同社は、問題を抱えたTHE 13ホテルの売却を望んでいることを公言しているものの、この任意清算が同ホテルにとってどのような意味を持つのかははっきりしていない。
故スティーブン・ハン会長が発案したTHE 13は、2010年代初頭にブームとなったマカオのVIP層人気の便乗を目的に、66台のVIPゲーミングテーブルを備えた超高級ホテルとして構想された。しかし、一連の資金調達と建設の遅れにより、2018年9月の開業時にはゲーミングが行えず、多くの部屋が未完成のままとなり、その費用は16億米ドル(約1,780億円)にのぼった。
ニュー・コンコルディアは最近、2016年に2,000万米ドル(約22億円)で購入したロールスロイス・ファントム30台のほとんどを売却し、資金を調達。そのうち24台は負債返済のために2019年に合計2,400万香港ドル(約1億4,300万円)で売却され、今年初めには1台が350万香港ドル(約5,000万円)で売却された。