サイパンのカジノ投資家であるインペリアル・パシフィック・インターナショナル(IPI)は、北マリアナ諸島の連邦カジノ委員会(CCC)によって無期限停止となった子会社のインペリアル・パシフィック・インターナショナル(CNMI)LLCのカジノライセンスに関し、サイパンの上位裁判所に司法審査の請求を行ったと述べた。
CCCは、ライセンス契約に基づく特定要件に準拠しなかったという一連の告発を受け、4月にIPIのライセンスを一時停止した。
これらの5つの告発は、特に以下に関連している。
IPIが昨年8月の年間1550万米ドル(約16.7億円)のライセンス料未払いと、10月の年間310万米ドル(約3.3億円)の規制管理手数料の未払い、2018年と2019年の両年で地域便益基金(community benefit fund)に2,000万米ドル(約21.5億円)を寄付しなかったこと、最低20億米ドル(約2,157.4億円)の資本要件を順守しなかったこと、及びベンダーへの未払い金全額を返済すべきというCCCの命令を順守しなかったことである。
同社は、6カ月間で1,550万米ドル(約16.9億円)のカジノライセンス料と310万米ドル(約3.3億円)の規制管理手数料、および660万米ドル(約7.2億円)の罰金を返済するか、またはライセンスを取り消しとなる。
しかしながら、同社は6月16日(火)深夜の香港証券取引所への報告書の中で、新型コロナの業務への影響を考慮すると、同社とCCCの間で年間ライセンス料支払いに関する見解の相違があり、上位裁判所に対して再審査請求を行ったと述べている。
インペリアルパレス・サイパンのカジノは2020年3月17日以降閉鎖されており、サイパンへの国際線も停止されたままである。
同社は以下のように述べている。「カジノライセンス契約に基づく不可抗力条項に従えば、被許諾者は自然災害の場合の年間ライセンス料を支払う義務はない。しかしながら、CCCは論争を提起し、新型コロナのパンデミックは自然災害や不可抗力に値しないと主張している。
そのため、パンデミックが自然災害または不可抗力に相当するか否かの判断をするため、被許諾者がサイパンの上位裁判所に請願書を提出した。もしパンデミックが自然災害または不可抗力に相当と判断された場合、被許諾者は年間ライセンス料を支払う必要はない。」
IPIに対する告発の範囲を考えると、同社に有利な判決に出てもライセンスの一時停止が覆される結果になるかどうかは定かでない。
同社は先日、2020年度に3億6,700万米ドル(約404億円)の損失を発表している。