投資銀行のJPモルガンによると、新型コロナウイルスの感染者数増加に伴うマカオと広東省との国境規制の厳格化により、マカオの最近の回復が間違いなく鈍化する模様。
マカオ政府は6月第一週末、広東省からマカオ特別行政区への渡航者に対する新たな要件を発表。広東省の主に広州市と仏山市では、6月初旬から、新型コロナウイルスの感染者が新たに100人近く発生している。その要件とは、過去7日間ではなく過去48時間以内に得られた検査結果が陰性であり、過去2週間以内にいずれかの市の特定地区を訪れた者は、マカオのホテルでの14日間の医学観察(隔離)が必要とするもの。
JPモルガンのアナリストであるDS・キム氏、デレク・チョイ氏、リヴィー・リュー氏の三氏は、今年の中国本土からの旅行者の61%が広東省から訪れ、本土からの旅行者の90%以上が珠海市を経由しており、マカオへの直行便利用者数が旅行者の6%に過ぎないことから、マカオのゲーミング事業者が今回の新規制の影響を受けることは避けられないとコメント。
6月7日(月)の報告では、「広東省または同省経由の渡航政策の厳格化は、間違いなく需要を圧迫し、過去6ヵ月間の順調な回復を鈍化させるだろう」と述べている。
「また、待望の広東省-香港-マカオ間の旅行バブルが、少なくとも広東省と香港で2週間以上、現地の感染者がゼロになるまでは、ごく近い将来に起こりそうにないことは言うまでもない」。
アナリストらは、香港が週末に2件の新規感染者を記録したことで、マカオに関しては振り出しに戻ったと指摘している。
今回の後退は、マカオのゲーミング監察協調局(DICJ)が5月のゲーミング粗収益(GGR)を4月から24.4%増の104億5,000万マカオドル(約1,429億円)と発表し、2020年1月以降のひと月の集計で最高値を記録してからわずか1週間後のことである。