和歌山県が誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)の事業者に選ばれた「クレアベストニームベンチャーズ」(東京)は7日、開発と運営に携わるパートナーとして日本の「AMSEリゾーツジャパン」と仏カジノ大手「グループ・パルトゥーシュ」が加わったと発表した。
和歌山のIR事業者に決まったクレアベストが早速、動いた。今回のコンソーシアム決定を受け、グループ代表のジェフ・パー氏は「構成メンバーは日本のIR事業について共通のビジョンを持っている。IR事業は和歌山県と関西圏に海外からの来場者を増やし、地域の活性化を図ることで、新型コロナウイルスの影響から脱却し、経済の回復に貢献できると信じている」と意気込んだ。
ご存じ、クレアベストニームベンチャーズはカナダのトロントに本社を構えるIR投資会社クレアベストグループの日本法人。この2日に和歌山IRの事業者に選ばれたことで、晴れて日本国内初のIR事業者になったわけだが、今後の開発や運営面で補完し合えるパートナーがどこになるか注目されていた。
AMSEリゾーツジャパンは拠点を日本に置くIR開発及びマネジメント会社。COOは米最大手「ラスベガス・サンズ」の元社長であるウイリアム・ワイドナー(William Weidner)氏、また同氏が設立したGaming Asset ManagementのLVS国際事業及び建設部門の元社長であるブラッドリー・ストーン(Bradley Stone)氏、そしてメルコPBLエンターテイメントの元COOのゲイリー・サンダース(Garry Saunders)氏と世界有数のIR事業を手掛けた実績を持つ幹部を多数そろえている。
またマリオ・ホー(Mario Ho)氏はスタンレー・ホー氏の息子である。彼はアジアにおけるeスポーツ分野の第一人者として知られ「私たちのチームのノウハウを有効活用し、和歌山を日本のeスポーツの中心地にしたい」と述べた。
一方「グループ・パルトゥーシュ」はパリ、ニース、スイス・ジュネーブなど欧州を中心に42カ所でゲーミング施設を運営する仏カジノ大手。ホテル、レストラン、ゴルフコース、スパ、ビーチなど手広く運営している。日本のIRにも早くから関心を示し、日本のピクセルカンパニーズと組み、長崎IRに参画してもいた。
今後は日仏加の共同体が和歌山県と一体となり、区画整備計画を作成し、磨き上げていくことになる。大きなポイントとなるのは開業時期で県は「2026年春」をクレアベストは「27年秋」を提案している。また「チーム・クレアベスト」を知ってもらうためにも、ともすると、これまで欠けていた県民との対話も不可欠だろう。国への申請は来年4月28日まで。残された時間はあるようで、それほどない。