大阪府・市は6日、夢洲地区(此花区)に誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の追加公募について「受け付けに応じた事業者はいなかった」と発表した。6日正午を期限としていた。これにより大阪IRへの参加登録は「米MGMリゾーツ・インターナショナル」と「オリックス」の共同体1社のまま変わらなかった。
今回の追加公募はコロナ禍の影響などを受け、今年2月に大阪府・市が実施方針案を大幅に修正したことが発端。2020年代の部分開業を認めるとともに展示施設、宿泊施設などの段階的な整備を容認した。条件が大幅変更となったため、「公平性を担保する観点から」(大阪IR推進局)3月19日から追加で事業者を募っていた。
ただ、大阪IRについてはMGMが「大阪オンリー」を掲げ、昨年に2月に締め切られた事業者公募では唯一参加登録しており、業界関係者の間では「追加募集に応じる事業者はまずないだろう」とも言われており、冷静に受け止められた。
今後は府・市が7月ごろに提案書類の提出を求め、9月ごろに事業者を決める。国はIR誘致を目指す自治体から21年10月~22年4月に申請を受け付けることになっており、国に認定されれば、23年度以降に事業者が着工に入ることになりそうだ。
事業者がMGM、オリックスの共同体1者のみとなったことで、イニシアチブを握られるとの意見もあるなか、大阪府の吉村洋文知事は「引き続きMGM、オリックスと協議を進めていきたい」と話した。また大阪IR推進局の担当者も「これまでも良好な関係を築いてきた。今後も対話を継続し、しっかりとして区域整備計画を立てたい」としている。
日本のIRを巡っては横浜市、大阪府・市、和歌山県、長崎県が誘致を表明し、活動を行っている。