クラウン・リゾーツは、2021年に22億豪ドルをかけたクラウン・シドニー開発のカジノ事業を開始予定であるが、NSWゲーミング規制当局の会長は、同社のライセンス保有の適格性についての判断を「数年ではなく数ヶ月以内」に下す予定をしているとInside AsianGamingに語った。
最近のバーギン調査の結果で州カジノライセンス保有に不適格だと判断されたクラウンと、NSW独立酒類・ゲーミング局(ILGA)との交渉の進捗状況を詳述しつつ、同局のフィリップ・クローフォード局長は、オーストラリアのカジノの巨人が適格性を満たすために着実な進歩を遂げていると語った。
同局長は、クラウン・シドニーのカジノを中心とする現実的な見通しをたずねられた際、IAGに以下のように述べた。「我々は、その判断が数年ではなく数か月で下されると見ている。
一部の[アナリスト]は、8カ月〜2年かかるかもしれないと推測していたが、確実に2年はばかげた話である。クラウンが2年以内に適格性を満たさない場合、我々は本質的な問題を抱えていることになる。

私はてっきり、彼らが適格性を満たすような環境をできる限り整えることができれば、今年の後半のある段階で現実的な見通しができると思っていた。」
2月に調査委員のパトリシア・バーギン氏が提出した報告書は、ILGAがクラウンをNSWカジノの免許を保有するのに不適格であると判断することを勧告しただけでなく、そのような認定を取り消す場合に満たすべき一連の基準について概説している。具体的にその報告書が要求しているのは、一部のクラウン銀行口座が資金洗浄(マネーロンダリング)に使用された可能性が高いことが明らかになったのを受け、数人のクラウン取締役会メンバーと上級管理職が辞任することと、同社の資金洗浄防止管理の抜本的な変更であった。
「大きな要件の一つが、多くの人がその場所の文化を変える方向に向かわなければならないというものだった。というのも、その多くが上層部のリーダーシップであり、そのプロセスはほぼ完了している。」とクローフォード局長は語った。それは、バーギンレポートが公表された後に、5人の取締役(ガイ・ジャランド氏、マイケル・ジョンストン氏、アンドリュー・デメトリウ氏、ハロルド・ミッチェル氏、ジョン・ポイントン氏)と、CEOのケン・バートン氏および法務顧問のメアリー・マノス氏が退任したことを指している。
「今やコンプライアンス義務に対処し、犯罪組織の関与に対する防御策を講じるためのより良い環境が整ってきており、適切に対処していくことは非常に重要である。」と同局長は述べている。
また、デロイトオーストラリアが現在、クラウンに組織犯罪の関与がないこと、および金銭の取り扱いに不正がないことを確認するために、クラウン口座の完全監査を請け負っていることも明らかにした。そしてそのプロセスは約3〜4ヶ月かかると見込みでると伝えた。
ライセンスに関して、近日中にもう少し良いニュースがありそうだが、ILGAは、2020年12月28日に開業したクラウン・シドニーのノン・ゲーミング施設に対する暫定酒類販売免許を、4月30日の有効期限を超えて延長する可能性があるとしている。
クローフォード局長は、「我々は現在その件について注視しており、願わくば、早く何かを発表できればと思っている。2、3カ月間延長する選択肢は我々が持っており、今週はそれを検討するつもりだ。」と述べた。
IAGは、来週発行されるInside AsianGamingの4月号で、ニューサウスウェールズ州での持続可能性に対するクラウンの取り組みと、今後のビクトリア州と西オーストラリア州の今後の王立委員会がどのように展開するのかを詳しく調査する。