オーストラリアのクラウン・リゾーツは、アメリカの多国籍のプライベート・エクイティおよびヘッジファンド大手であるブラックストーン・グループから、80億豪ドル(約6720億円)の買収提案を受けたと発表。
月曜日朝のASXの報告によると、この拘束力のない持ち込み提案は、週末に仲介者を通じて受け取ったもので、これを承諾すると、ブラックストーン・グループはクラウンの全株式を公開買付けで1株あたり現金11.85豪ドル(約995円)の提示価格で取得することになる。
提示価格は、クラウンが明言または支払った配当金や分配金の価値によって減少し、「会計年度21年上半期の決算発表以降の弊社株式の出来高加重平均価格に19%の額面超過額割増金を加えたもの」と同社はコメント。
その金額は、80億豪ドル(約6720億円)となっている。
ブラックストーン・グループは現在、20年4月にメルコリゾーツ&エンターテインメントから買収したクラウン・リゾーツの株式9.99%を保有している。
メルコは1年前に、ジェームズ・パッカー氏のコンソリデイティッド・プレス・ホールディングスから9.99%の株式を購入したが、ニューサウスウェールズ州の規制当局による独立調査の開始を受け、セカンドトランシェの購入契約を撤回。この調査の結果を受けて発表されたバーギンレポートは、クラウンが22億豪ドル(約1850億円)を投じて開発するクラウン・シドニーのカジノ営業権を保有するのを不適当と判断し、クラウンがカジノを運営中であるビクトリア州と西オーストラリア州の政府は王立委員会を設置した。
クラウンは月曜日に、ブラックストーン・グループの提案には以下をはじめとした数々の条件があると述べた。
- デューディリジェンス
- 借入金融の手配
- クラウン取締役会の全会一致の推薦およびクラウン取締役全員による提案への賛成投票の約束
- ブラックストーンに所有されるクラウンがシドニー、メルボルン、パースの営業権を継続して所有・運営するのに適した法人であるとした規制当局の承認をブラックストーンが受けるという条件を含む、拘束力のある実施契約の締結
- ブラックストーンの投資委員会から承認を得ること
クラウンは月曜日に、「弊社取締役会は、本提案の利点についてまだ見解を示していない」と述べた。
「提案の価値や条件、その他の検討事項に配慮しながら、提案の評価プロセスを開始する予定である。また、規制当局を含む利害関係者との対話も行なっていく」。