ユニバーサルエンターテインメントグループが、2021年中にフィリピンで展開している統合型リゾート事業をNASDAQかニューヨーク証券取引所に上場させる計画であることを明かした。
この計画の下で、ユニバーサルは Special Purpose Acquisition Company(特別買収目的会社、SPAC)を利用して同事業を上場させる。SPACとは未公開会社や他社の事業を買収することを目的として株式を公開する会社。この裏口的な手法は、様々な重要な保護を提供すしながら、大規模・小規模両方の投資家に早い段階で購入する機会を与えることができると言われている。
ユニバーサルの統合型リゾート事業を構成するのは、完全子会社であるタイガーリゾートレジャーアンドエンターテインメントインク(TRLEI)が運営するオカダ・マニラのみ。同社は2018年頃にTRLEIの上場を大々的に宣伝していたものの、当時は米国についての言及はなかった。
オカダ・マニラで様々な費用削減策を実施し、新型コロナウイルス感染症の収束後も費用削減を継続すると強調したユニバーサルは金曜、IR事業の上場を再検討するのに良いタイミングだと述べた。
同社は、「こうした状況を踏まえ、当社といたしましては、統合型リゾート(IR)事業をグループの中核事業と位置づけ、そのさらなる事業拡大と企業グループ価値の増大を目指して、今般米国NASDAQ市場またはニューヨーク証券取引所のいずれかへの上場を具体的に検討することといたしました。
当社は、NASDAQ市場またはニューヨーク証券取引所のいずれかへの上場準備のため、すでに(中略)SPACの選定、法令及び税制面の調査、グループ全体の資本構成の見直し当を行っており、2021年度中の上場を目指します」と述べた。
ユニバーサルは金曜、これとは別の発表の中で、2020年度業績を発表し、この年実施したオカダ・マニラでの費用削減策には人件費の約20%(1,500人)の削減が含まれていたことを明かした。