中国が継続して越境賭博との闘いを強化しており、公安部は旧正月期間中の違法賭博行為への取り締まりを断言し、犯罪に関与する者たちに自首するよう呼びかけている。
公安部は金曜、声明を出すとともに記者会見を開き、全国人民代表大会が最近刑法改正案を通過させたことへの対応として同部が取る予定の重要な手順を説明した。2021年3月1日に施行されるこの改正によって、中国国民の賭博を手配または勧誘を行なったことが判明した海外カジノを罰する新たな罪が創設され、深刻な違反で有罪となった者への罰則が厳しくなる。
中国文化観光部は先月にも、ギャンブル目的で中国人観光客を誘致していると同部が主張する海外観光地「ブラックリスト」拡大の準備を進めていることを明かしていた。
対象となっている場所の名前は一切公表されていないものの、公安部は旧正月を前に、全ての賭博防止の取り組みを加速させているようで、金曜にはさらに追加の人材を配置し、出入国管理当局と緊密に連携を取りながら厳しい出入国管理を実施するとともに、中国人による海外賭博を防ぐために「特定の国々との法の施行の協力を強化する」と断言した。
公安部国際協力局(Bureau of International Cooperation)の廖进荣(Liao Jinrong)局長は、「関連データによると、毎年の春節休暇は、海外賭博グループによる賭博および賭博に関わる行為への勧誘が最も活発な期間だ。
資金の大規模流出を引き起こしているだけでなく、拉致、恐喝、暴力団が関わる犯罪やその他の悪質犯罪にもつながっており、これは深刻な脅威である。この国の経済的安全保障と社会の安定が休暇ムードを盛り上げてくれる」と話した。
今回の取り締まり強化は、オンライン賭博サイト運営者やジャンケット事業者の両方をターゲットにしているようで、廖局長は、「賭博、オンライン賭博、または賭博行為への資金及び技術支援の提供」に関わったもの全員が中国の刑法への違反となると警告した。
しかしながら公安部は、2021年4月30日までに当局に自首した「容疑者」へのリニエンシー(制裁措置減免)を約束している。金曜に政府が出した声明によると、「期限までに自首し正直に罪を白状した者に対しては、法律に従ってより軽い罰則または減刑が与えられる可能性がある」、またはその内容が比較的小さ軽微であれば、「罰則が免除される可能性がある」。
また、他者の犯罪行為を暴露し、証拠提供した者への減刑または罰則免除も約束している。
公安部の声明には、「犯罪容疑者は状況をはっきりと理解し、この機会を大切にして出来る限り早く自首して、リニエンシーのために努力すべきだ。定められた期限内の自首を拒否したものは法律に従って司法機関によって罰せられることになる」と書かれている。
アナリスト達は金曜、この動きはほぼ確実にマカオをターゲットにはしていないものの、ジャンケットやそのエージェントへの調査の強化によっていくらか間接的な影響が見られる可能性があると述べた。個人プレイヤーの一部はマカオへの旅行に消極的になる可能性がある。
JPモルガンのDS・キム氏とデレク・チョイ氏は、「(マカオだけでなく海外カジノにも関わっている)ジャンケット/エージェントへの詳細な調査がかつてない水準に強化されており、その結果彼らは海外か否かに関わらず、カジノにプレイヤーを連れてくることができなくなってきている。
良い知らせというのは、VIPがが利益やキャッシュフローに目立った変化を起こさないほどに縮小していることで、我々のモデルではジャンケットVIPは2022年予想で業界EBITDAのおよそ5%ほどにしかならなくなる。
さらに、我々は、投資家たちが2020年半ばから集中的にヘッドラインを飾った一連のニュースによって、どちらにせよこれら『VIP取り締まり』のニュースに対して無感覚になり始めていると感じている。故に、このニュースは今のところ財務や意識に限定的な影響しか及ぼさないと見ている」と述べた。