マカオのカジノ事業者たちは月曜に公表された1月のGGR値では予想を上回った。それにもかかわらず、ゲーミングアナリストたちは間もなくやって来る中国旧正月へのマカオの見通しについて主に弱気の予想をしている。
Inside Asian Gamingが伝えた通り、2021年1月のゲーミング粗収益は、12月比2.6%増の80億2,000万パタカとわずかな改善を示しており、過去1年間の月間GGRとしては最高値となった。前年比63.7%の減少は、67%減少するとしていたブルームバーグの予想を上回った。
しかし、旧正月およびその後についてはせいぜい良くても慎重といった雰囲気で、最近の中国本土での新型コロナ感染拡大による移動制限が、中国政府による越境賭博及び資金の流れへの取り締まり強化と相まって、アナリスト達は今後数か月の市場は不活発になると予想するに至っている。
ユニオン・ゲーミングのジョン・ディクレー氏は、月曜のレポートの中でこのように述べた。「最悪の時期は過ぎた可能性が高いが、まだもう少し先が見通せる状態になる必要がある。最悪は今のところ過ぎたように見える一方で、我々は回復スピードとその程度、そしてコンセッション更新に関してもう少し明確になるまでは、全体としてマカオついてより中立的な見通しを維持している。
中国および地方で新型コロナの孤立した感染例が多く見られる中で、旧正月期間を含めた今後数か月間、旅行は抑制されたままになると予想している」。
クレディ・スイスのアナリスト、ケネス・フォン氏、ロク・カン・チャン氏、そしてレベッカ・ロー氏は、VIPおよびプレミアムマスプレイヤーたちが旅行ビザ取得が困難であるために旧正月の旅行をキャンセルしていることに関する懸念を繰り返し述べている。
「あるトップのマカオジャンケットに話を聞いたところ、旧正月のピーク期間のVIP取扱高は、昨年10月の大型連休よりも20%少なくなる可能性がある。
この先を見ると、中国政府が感染拡大を阻止するために省および都市をまたぐ移動を控えるよう促しているため、2月のGGRは残念な結果になり得る。たとえ、ピークの旧正月期間に(10月の大型連休のランレートで)1日あたりのGGRが2億8,000万パタカ、その月の残りの期間に(パンデミック管理の強化があるものの1月のランレートで)2億6,000万パタカになると仮定しても、2月のGGRは1月よりわずかに高い2億6,500万パタカ程になるだけだ」。
バーンスタインのアナリスト達は、「旅行障害によって確実に少なくとも今後2週間は、(以前の予想よりも)訪マカオ旅客数が少なくなり、旧正月の旅行者数にも影響が出る」と指摘した。
明るい話題としては、ディクレー氏は中国の越境賭博との闘いが、たとえすぐにその恩恵が見られなかったとしても最終的にはマカオにプラスに作用すると信じている。
「中国のオフショアギャンブルへの最近の取り締まりによって我々は、具体的にはジャンケットVIPといった高級顧客区分の回復の可能性に関して確信が持てなくなっている。長期的には、オフショアギャンブル取り締まりがマカオのプラスに回る可能性があると予想しているものの、今のところは新法の曖昧さが継続して一部のVIP客を抑止し、マカオでのジャンケット営業を制限する可能性が高いだろう。
この法律がマカオを除外するかどうかにということについて中国からより明確なコメントがあることは期待していないが、時間とともにマカオがより有利に取り扱われ、もう少し多くのVIPが市場に戻ってくることが可能になると予想している」。
アナリスト達は2月のGGRが2019年2月比では65%から69%減となるものの、マカオのカジノが新型コロナの感染拡大抑制のために15日間営業を停止した2020年2月比ではほぼ確実に改善を示すと予想している。