Inside Asian Gamingは、2021年に16周年を迎え、2005年の立ち上げ以来、アジアのゲ ーミング産業に関する膨大な記事のライブラリーを保有している。我々は、2011年1月に何が話題であったか再確認するために、IAGのこの新しい特集シリーズでは、ちょうど10年前にタブコープ社スターシティのラリー・マリン氏にインタビューした巻頭特集を振り返る。
ちょうど2011年にカレンダーがめくられた時、オーストラリアで最大のゲーミング企業タブコープのカジノ部門CEOであるラリー・マリン氏は、オーストラリアに4つあるカジノについて自社の壮大な計画を概説していた。
Inside Asian Gaming(英語版)の2011年1月号の掲載されている広範なインタビューの中で、マリン氏は、クイーンズランド州にある3つの施設(トレジャリーホテル&カジノ・ブリスベン、ジュピターズホテル&カジノ・ゴールドコースト、ジュピターズ・タウンズビル)のアップグレードに費やした6億2,500万豪ドルを例に出しながら、タブコープがどんな状態で、シドニーの旗艦施設のスター・シドニーに10億豪ドル(約792億万円)かけた改築の真っ只中にいたのかを説明した。
同社の非ゲーミングアトラクションの強化とは別に、支出の75%をレストラン、ホテル、ナイトライフとその他のエンターテイメントに割り当てたその考えは、つい先日マカオとシンガポールで事業開始となったワールドクラスのIRに本物の代替品を提供することにあった。
「私は、(オーストラリア)市場における課題の一つは、VIPビジネスまたはアジアでよく見かけられる業種の観点から言えば、ただ現状で良いと満足してしまっていたことだと思います」と、当時マリン氏はIAGに語った。
「我々はそれらの顧客に提供する製品で競争力を持っていませんでした。。つまり、弊社がここシドニーのような素晴らしい場所に存在していても、その訪問を満たすためのおもてなしを提供していなかっただけなのです。だから今、我々は必ずやこの街で海外のお客様に最高のスイート体験を提供し、また彼らにゲーミングエリアでのVIP体験も提供するつもりでいます。我々はマカオやシンガポールのような場所と競争できるよう、その全てを改善する必要がありました」。
10年早送りすると、オーストラリアのカジノはVIPスペースでまったく新しい逆風に直面しているが、マリン氏の展望は進化し続けている。エコー・エンターテインメント・グループを設立するためにタブコープからの分割が2011年に完了し、その後2015年にスター・エンターテインメント・グループに社名を変更したそのカジノ事業者は今やオーストラリアの統合型リゾート事業者の名をかけて長年のライバルであるクラウン・リゾーツに見事且つ真剣に挑んでいる。

ジュピターズ・タウンズビルを2014年に売却したにも関わらず、ザ スター シドニーは、世界のIR環境における真の競合として顕在であり、ザ スター ゴールドコースト(旧ジュピターズホテル&カジノ)は、8億5,000万豪ドル(約673億4,600万円)の独自の大改築を経ており、一方ブリスベンのトレジャリーホテル&カジノは、香港のチョウ・タイ・フック(周大福)とファーイーストコンソーシアムとの画期的なパートナーシップの一部としてスター社が36億豪ドルをかけたクイーンズワーフの開発にまもなく呑みこまれるだろう。
これは10年で多くのことが変わる可能性があることの証拠である!