メイバンク・リサーチが、マレーシアの6つの州を対象とする新たな活動制限令(MCO)の実施によって、来場者数の大幅減の可能性が高いために、ゲンティン・マレーシアの2021年の一株当たり利益(EPS)予想を58%削減した。
マレーシアのムヒディン首相は、新型コロナ感染者数の急増に対応するために、月曜直近のMCOについて説明した。マレーシアでは、先週1日当たりの感染者数が初めて3,000人を超えた。現時点では1月13日から26日までの2週間実施される予定の今回のMCOは、ペナン州、セランゴール州、連邦直轄領、ジョホール州、マラッカ州そしてサバ州の6つの州に適用され、州間の移動の全面禁止、そして今回対象となっている州内での地区間の移動も禁止されている。
それに対応して、ゲンティン・マレーシアのリゾーツ ワールド ゲンティンは、MCOの期間中、一部アトラクションの営業時間を短縮し、人数を削減して営業を行うことを発表した。
しかしながら、メイバンクのアナリスト、サミュエル・イン・シャオ・ヤン氏は今回の制限は2週間よりも相当長く続く可能性が高く、通常は繁忙期となる中国旧正月に影響を及ぼすことになりそうだと述べた。
同氏はレポートの中で、「RWGが営業停止を求められた以前のMCOは、2020年3月18日に実施され、2週間の予定だった。
RWGが営業を再開できたのは、3カ月後の2020年6月19日だった。現在マレーシアでは新型コロナ新規感染者数が急増しており、セランゴールとクアラルンプールでのMCOは、少なくとも同様の3カ月間は続くと推測している。これによって、RWGは中国旧正月の繁忙期を諦めることになり、ゲンティン・スカイワールドが21年下半期に開業できるかどうかに疑問を投げ掛ける可能性がある」と述べた。
イン氏は、全体のおよそ75%を占める日帰り客の大半がセランゴールとクアラルンプールから来ているために、今回の直近のMCOはRWGに大きな影響を及ぼすと指摘した。
その結果として、メイバンク・リサーチは2021年の来場者数予想を1,800万人から1,500万人に引き下げ、EPSは58%低い3.1センとした。22年度EPS予想には変更はないものの、イン氏は中国元に影響が出た場合のさらなるマイナスのリスクを警告している。