中国のサイバースペース監視機関が現地のアプリストアから、世界的な旅行プラットフォーム『トリップアドバイザー』などの105のアプリの排除を命令してから、中国人をターゲットにする外国企業による海外の脅威と受け取られるものへの中国の取り締まり強化がエスカレートしている。
中国のサイバースペース管理局(Cyberspace Administration of China)は火曜、ウェブサイト上で声明を発表し、アプリの排除は特定のアプリに提供されている賭博などの違法サービスおよびコンテンツに関する国民からの苦情に対応したものだと述べた。特に同局は、問題となっている105のアプリは「卑わい、過激な性的描写、暴力的、残忍、その他違法な情報を広め、詐欺、賭博そして売春といった違法サービスを提供していた」と主張した。
トリップアドバイザーがそのリストに含まれた具体的な理由は不明であるものの、カジノを持つ海外リゾートでの宿泊を検索・予約できる機能によるものである可能性が非常に高い。
中国のネットワークセキュリティ法(Network Security Law)に加えてコンテンツ生態ガバナンス規定(Regulations on Content Ecological Governance)およびモバイルインターネットアプリ情報サービス管理規定(Regulations on the Management of Mobile Internet Application Information Services)を引用する今回の声明は、監査要件を満たしていないこと、そしてそのような内容を利用可能にしたという理由から8つのアプリストアが閉鎖されたことも明かしている。
今回の最新の動きの前の8月、中国文化観光部は、中国本土の客をターゲットにしたカジノをオープンすることで、同部が言うところの国のアウトバウンド観光市場を混乱させているという海外観光地の「ブラックリスト」を作成したと発表した。フィリピン、ベトナムそしてオーストラリアなどの法域に言及していると見られるこのブラックリストによって、特定の海外都市および景勝地へと向かう中国国民に渡航制限が課せられると同部は述べていた。
中国はまた、10月に刑法改正を発表し、中国国民による賭博を企画または勧誘したことが判明した海外カジノに対する新しい罪を創設した。有罪になった人への罰則は、中国での「カジノ開設」の犯罪と同等となる、5年以下の懲役または、深刻なケースでは10年以下の懲役となる。
中国サイバースペース管理局は火曜、「継続してモバイルアプリの修正を促し、監視を強化、そしてモバイルアプリ情報サービスの調査を行い、迅速に違法モバイルアプリおよびアプリストアを洗い出し、排除する。そして透明なサイバースペースを作り出すよう努力していく」と述べた。