ニューサウスウェールズ州(NSW)ゲーミング規制当局は、来年2月に同社のカジノライセンス保有適正への調査結果が言い渡されるまで、クラウン・リゾーツが22億米ドルをかけて開発したシドニーのカジノ施設の開業を実質的に阻止する。
水曜の発表によると、NSW独立酒類&ゲーミング局(ILGA)は、調査中に持ち上がったコンプライアンスの問題をめぐる懸念から、クラウンに対して現在の12月14日の開業予定を延期するよう正式に要請した。
ILGAは、クラウン・シドニーの来月の開業を物理的に阻止することはしないものの、フィリップ・クロフォード局長は、当局側はミニマム・ベット・リミット、VIPメンバーシップ方針、ゲーミングエリアの境界線、同ライセンス保有者の「近しい関係者」など、必須となる様々な規制上の申請を検討することができないと決議しており、それらすべてがカジノ営業にとって必要不可欠だと述べた。
クロフォード局長は、「クラウン・リゾーツが、全てのゲーミング活動の開業を延期するよう求める我々の要請に同意してくれると期待している。これら規制関係の承認なしにゲーミング活動を始めることはできない。
当局側は、バーギン調査の前から集め続けている証拠が極めて厄介なものであり、2021年2月の調査結果の公表と当局による検討の前にカジノで行われる一切のゲーミング活動は、公共の利益に反してコミュニティに受け入れ難い危険を及ぼすと判断した。
これを考慮して、我々は当局がバーギン調査の結果が出る前に、当局に提出された申請に決定を下すことは適切ではないと考えた。
その間、クラウン・シドニーがホテル、レストラン、バーおよび娯楽施設など一部の非ゲーミング施設をオープンする余地はあるかもしれないとクロフォード氏は付け加えた。
ILGAの発表直後に独自で発表した文書の中で、クラウンは、「クラウン・シドニーのゲーミング営業は2020年12月に開始しないと決定し、代わりに「ゲーミング営業を開始することなく、ILGAと協議しながら、クラウン・シドニーでの非ゲーミング営業のオープンに継続して注力していく」と述べた。
クラウンにとってのこの直近の逆流のつい前日、同社は資金洗浄リスクをめぐる懸念からオーストラリアのカジノでのジャンケット事業者との全ての活動を永久に停止すると発表していた。
先月、ビクトリア州賭博および酒類規制委員会もクラウンに対して、なぜクラウンが社内でジャンケット管理を怠った疑惑によって罰せられるべきではないかについての正当な理由を示すよう求めた。
クラウンはすでに取締役会改造の真っ只中にあり、前業務執行役会長のジョン・アレキサンダー氏とジョン・ホルヴァート氏の両者が最近の年次株主総会で辞任した。会長のヘレン・クーナン氏は、今後さらに取締役会に変更を行っていくことを約束している。