米カジノ事業者のシーザーズ・エンターテインメントとモヒガン・ゲーミング&エンターテインメントの両社が、新型コロナウイルスによる資金調達の懸念によって、韓国の統合型リゾート計画への大幅な遅れに直面している。
仁川経済自由区域当局からの情報を引用した韓国のニュースメディアによると、「ミダンシティ」と呼ばれる永宗島での広大な計画の一部となるシーザーズ・コリア、そしてモヒガンのインスパイアが計画の完成に必要な最後の資金の確保に苦戦している。
また、投資家と現地開発パートナーの間での「意見の相違」も報じられており、現地パートナーは残りの資金全額の支払いと、建設を続ける前にさらなる資金を確保するよう求めていると伝えられている。
ミダンシティでの建設工事は2月11日に中断されたことで、8カ月以上の遅れが出ていると言われている。
シーザーズ・コリアの未来に関しては、シーザーズ・エンターテインメントとエルドラド・リゾーツの合併の後この1年、やや不確かな状況にあり、現在合併したシーザーズ法人のCEOになっているエルドラドのトム・リーグCEOは2019年7月、同社の世界進出の機会は「その方向性で走っていくためには素晴らしいものでなければならない」だろうと発言していた。
同社はその後の2019年8月、シーザーズ・コリアに、積極的に直接投資する追加資金額の上限を6,000万米ドル(約63億2,417万円)に設定していると述べた。同社はすでに7億米ドルの計画に対して8,000万米ドルを出しており、残りは外部から資金提供を受ける予定となっている。しかしながら、今年6月のエルドラドとの173億米ドルの合併以降、同社は韓国のプロジェクトに関してほとんど公で話をしていない。
モヒガン・ゲーミングのマリオ・コントメルコスCEOは、最近では7月に、インスパイア・コリア計画が2022年の開業に向けて順調に進んでいると述べ、同社の世界進出の努力への固い決意は変わっていないと付け加えた。
インスパイア・コリアの16億米ドルの第1フェーズ開発では、仁川空港近くの170万㎡の土地にゲーミングテーブル150台、電子ゲーミング機700台、1万5千人収容のアリーナ、プールや乗り物のある空調完備の屋内ドーム、飲食・小売店、1万9千平米の会議スペース、1,250の客室を持つ施設が作られる。
コントメルコス氏は、casino.orgとのインタビューの中で、「今回のパンデミックは、世界の舞台への多様化がそのような時代を耐えぬく能力にとって重要であることを示している。だからインスパイアという韓国でのプロジェクトは2022年の開業に向けて現在も順調に進んでいる」と発言していた。
モヒガンはその後、インスパイア・アテネと呼ばれるギリシャIR開発ライセンスも勝ち取っている。
韓国メディアは、現地職員の発言として「統合型リゾート業界は新型コロナの余波で資金確保に苦戦している。しかしながら、インスパイアは自己資本の追加投資を検討しており、遅かれ早かれソリューションを提案する可能性がある」と報じている。