中国文化観光部は、中国本土の客をターゲットにしたカジノをオープンすることで、同国のアウトバウンド観光市場を混乱させていると言う海外観光地の「ブラックリスト」を作り上げたと話す。
水曜早朝に出された声明によると、他部署と協力して考案された国境を跨いだギャンブル観光地の新しいブラックリストシステムによって、ブラックリストに載っている海外都市や景勝地に行く中国人には旅行制限がかけられることになる。
同部は、それらの都市や景勝地は「中国国民の個人および財産の安全を危険にさらしている」と述べた。
具体的にどの国がブラックリストに載っているかに関する詳細は明かされなかったものの、投資銀行JPモルガンのアナリストたちは、中国は恐らくフィリピン、カンボジア、ベトナムといった新興の東南アジアゲーミング観光地、そして可能性としてはオーストラリアを指していると指摘した。
フィリピンおよびカンボジアは近年、中国のターゲットとなっており、カンボジアは昨年末、規制されていたオンラインゲーミング業界の閉鎖に合意し、フィリピンはPOGOに関する同様のプレッシャーを拒否している。
JPモルガンのDS・キム氏、デレク・チョイ氏、ジェレミー・アン氏は、「我々の目にはこれが、昨年から行われており、ここ数カ月でかなりエスカレートした海外違法ギャンブル(中でも特にプロキシー・ベッティング、動画ストリーミングおよびオンラインカジノ)および国を跨いだ資本移動抑制の取り組みの延長のように映る。
この段階では、具体的にいつ政府が取り締まりを行い、『ブラックリスト作成』がどのような意味を持つのかについて知るのは難しいが、地下銀行やエージェントを通じた資本移動と同様にこれら海外市場のジャンケットのプロモーションがかなり細かく検査されるようになるのではと見ている。
一方で、ジャンケットとの関わりの少なさを考えると、シンガポール(そして程度は低いが韓国/マレーシア)のような市場は上手くやるはずであり、日本のカジノIR(統合型リゾート)計画がこの影響を受けるかどうか、もしそうならどのような形でというのを今後見ていくのは興味深い」と述べた。
アナリストたちはまた、マカオは中国政府から「海外ギャンブル市場」と見られていないことで、恐らくこの動きからの影響は受けず、実際は利益を得る可能性があると指摘した。
彼らは、「長期的に、この動きは中国国内でのギャンブル需要/流れの『囲い込み』と見ることができ、それがマカオへの需要の回帰を後押しする可能性がある。短期的には、巻き添え被害の可能性を考えると、VIP回復ペースにおいて著しい落ち込みが見られるであろうことは避けられない。マカオ以外の市場へとプレイヤーを連れてくるジャンケット/エージェントは、マカオにいるのと同じジャンケット/エージェントであり、彼らは取り締まりの影響を避けるために、今のところは十中八九目立たないようにするだろう。全体として、このニュースをマカオにとって長期的な利益のための短期的な痛みであると見なしている」とした。