ネバダ地区連邦地方裁判所は、ウィン・リゾーツのスティーブ・ウィン元会長兼CEOから性的嫌がらせを受けたと主張していた9人の女性からの同社への訴えを棄却した。
違反があったとされる当時、女性たちは全員、ウィン・ラスベガスのサロンでネイリストやメークアップアーティストとして雇用されており、2019年9月に、ウィン氏と他のウィン・リゾーツ幹部からメディアに話をしないよう圧力をかけられたとして訴えを起こした。
しかしながら、「身元を明かすことでさらなる報復、屈辱そして軽蔑の対象」になることを恐れて、女性たちは匿名のまま告発することを選び、代わりに、ジェーン・ドウ(訴訟等で身元不明の女性に使用される仮称)1番からジェーン・ドウ9番としてのみ扱われた。
その匿名性が決定打となったことが分かった。地裁は先週、女性たちが身元を隠すために十分に言い分を述べなかったという理由で、彼女たちの訴えを棄却した連邦下級判事によるその前の判決を支持した。
ジェームス・マハン判事は、「原告側は匿名性の保持を願ったものの、これがウィンの被告側に対する訴えにおいて複数の不足を引き起こした。
告発全体を通じて、原告側はその訴えに対する個別的な事実の裏付けが無い一般化された曖昧な意見を使用している」と述べた。
マハン判事はまた、セクハラの訴えは、集団としてではなく各自が提起すべきであるという点も指摘した。
棄却された今回の訴えは再訴可能。
スティーブ・ウィン氏によるセクハラ疑惑が初めて明らかになったのは、2018年1月のウォール・ストリート・ジャーナルの衝撃的な記事だった。
2002年にウィン・リゾーツを共同で創業した77歳のウィン氏は、それを受けて昨年2月に同社の会長兼CEOの職を辞任し、後に同社に保有していた12.1%の全株式を売却した。
ウィン・リゾーツは、スティーブ・ウィン元会長兼CEOに対する複数の女性からのセクハラの訴えへの調査を怠ったとして、2019年2月のネバダ州ゲーミング委員会からの過去最高となる2,000万米ドルの罰金、そしてその3カ月後のマサチューセッツ州ゲーミング委員会からの追加の罰金3,500万米ドルによる打撃を受けた。
ウィン・リゾーツの取締役会は、スティーブ・ウィン氏の辞任後、ハラーの元会長であるフィル・セートレ氏を会長に任命し、新しい女性取締役を迎えるなど多くの是正を行なってきた。