「インバウンド戻れば、IR業者も動き出す」大阪観光局代表理事長の溝畑宏さんが講演で

　業界専門誌「週刊ホテルレストラン」を発刊する株式会社オータパブリケイションズ主催の「全国ホテルマネジメントセミナーｉｎ関西」が7日、大阪市北区のリーガロイヤルホテルで開催された。元観光庁長官で大阪観光局代表理事長の溝畑宏さん（５９）が「観光業界の動向とインバウンド復調の兆し」をテーマに講演し、100人が耳を傾けた。

　コロナ禍で、ホテルや観光業界は打撃を受け、依然として厳しい状況に置かれているが、いきなり溝畑節をさく裂。「暗い顔をしているのはダメ。経営者がつらい、苦しいといっていたらお客さんは離れていく」と話し「いまは特急列車が各駅停車になっている状態だが、必ずまた走りだす。いまは辛抱のとき。力を蓄えて反転攻勢に出ましょう」と呼びかけた。

　またコロナ発生以前は大阪を中心に関西のインバウンドが大盛況だったことを踏まえ「人間は本能的に移動したい生きもの。五感に訴えるのが観光の本質であって、はやりのテレワークやオンラインは邪道。報道に踊らせられないでください。みなさんが取り組んでいたこと、提供していたサービスは間違いではなかった。自信を持ってください」と強調した。

　今後については2025年大阪・関西万博、その後のIR開業を見据え、溝畑さんは「万博は目的ではなく、成長戦略の手段のひとつ。インバウンドが戻れば、IRオペレーターも動き出す。半年から1年半で正常に戻るはず」と予想した。