マカオの立法議員でゲーミング専門家のデイビス・フォン(馮家超)氏は、広東省がマカオとの入境口を再び開けば、ゲーミング粗収益(GGR)は、1月あたり80億パタカ(約1,080億円)程度にまで回復することができると予想する。
マカオのGGRは6月、前年比で97%減少し、たった7億1,600万パタカ(約96.5億円)という過去最低の水準にまで落ち込んだ。5月と比べると59.4%の減少だった。広東省が3月終わりにマカオから到着した人全員への隔離措置を実施したことを受けて、マカオのGGRは4月、7億5,400万パタカ(約102億円)に減少したものの、5月には17億6,000万パタカ(約237億円)へとわずかに回復していた。
統合型リゾート・観光経営学教授でマカオ大学コマーシャルゲーミング研究所所長のデイビス・フォン氏は木曜、Inside Asian Gamingなどのメディアに対して6月のGGRの数字はパンデミックの底値を示していると見ていると述べた。
フォン教授は、「この期間のギャンブラーの大半が現地住民であることが分かった。だからほぼ底に達したのだ。マカオが近隣地域とトラベル・バブルを確立できることを願う。
広東省との入境口が開き始めれば、再開の程度にもよるが、マカオのGGRは60億から100億パタカの間にまで回復する可能性が高い、だから80億パタカ程度にはなる可能性がある。しかしもちろん、以前のようなGGRの水準に戻すには難しい」と述べた。
マカオ、広東省そして香港の間のトラベル・バブルに関して、フォン教授は各法域のニーズには違いがあると説明した。
「マカオはGDPの5割以上を観光及び関連産業に依存している一方で、他の場所では観光産業に寄与したのはたった1割のみだった。だからマカオには、入境口再開を推し進める緊急の必要性がある。他の場所にはそのようなモチベーションやプレッシャーはない」
反対に、フォン教授は、入境制限が緩和されれば、他の法域により大きな責任がかかるだろうと指摘した。
「例えば、IVS(個人訪問スキーム)が再開された場合、それに関係する地方は、その方策を再開しなければならず、その政府は資源を再調整し、再配分しなければならない。また、それぞれの都市には異なる防止策があるために、異なる地方からの旅客はウイルス検査といった独自の取り決めに従わなければならない。それぞれの都市に異なる手数料があり、旅客はマカオを訪れるためにそれを支払わなければならない。入境口の再開はマカオには利益となるだろうが、他の場所はそれで損する可能性がある」と述べた。
フォン教授は、旅客のマカオ訪問に係るコストを軽減するために、マカオはさらなるプロモーションや割引を提供すべきだと提案した。