メルコリゾーツ&エンターテイメントが、オーストラリアのクラウン・リゾーツに持つ9.99%の株式全てを、プライベート・エクイティやヘッジファンドに投資する米大手のブラックストーン・グループの完全子会社に売却した。
クラウンは今朝、オーストラリア証券取引所への報告書の中でこの売却を発表し、メルコが保有していた発行済み株式数の9.99%に相当するクラウン株67,675,000株をブラックストーン・グループが購入することを通知されていたと明かした。株式は一株当たり8.15豪ドルで売却された。
メルコは昨年6月に、ジェームス・パッカー氏のCPHクラウン・ホールディングスから9.99%の株式を取得しており、今回の売却は、NSW独立酒類・ゲーミング局がその取得に関する公開調査を行っている途中で行われた。現在その調査は新型コロナウイルスの影響で延期されている。
昨年8月に発表され、今年の1月から現在まで続いているこの公開調査は、同取引に関する様々な問題を調べており、クラウンが今もなお2021年開業予定の22億豪ドルをかけたクラウン・シドニーの開発のための制限付きゲーミングライセンスの保持に相応しい法人であるかどうかや、メルコリゾーツへの株式売却がライセンスまたはその他規制上の合意への違反となるかどうかなどが含まれる。
メルコは当初、CPHクラウン・ホールディングスが保有するクラウン株を、2回のトランシェに分けて合わせて19.98%取得する予定でいたが、2月初旬に第2トランシェを中止し、その理由を新型コロナウィルスが世界的に流行する中、「中核資産」に集中する必要があると説明していた。
メルコは当初、その67,675,000株を一株当たり13.00豪ドル(約904円)という価格で取得した。