大胆な発言をする。ビジネスおよび経済的な視点から見て、新型コロナウイルス(COVID-19)は我々が生きるこの時代で、最大の変化をもたらすショックを意味している。
9・11よりも大きく、グレート・リセッションよりも大きく、1987年の株価大暴落よりも大きく、実際、それら3つ全てを合わせたものよりも大きい。消費者行動を変化させる、そしてそれ故にビジネス界を変えてしまうだろう。永遠に。
本当に?そう、本当に。こちらの数字を見てほしい。
- ゴールドマンサックスは、今年第2四半期に、GDPが30%以上(!)縮小すると予想している。
- 世界の失業率は過去最低の水準から、何十年間、間違いなく1930年代の大恐慌以降で、最高の水準にまで上昇した。
- 米国だけでも、過去3週間で1,700万人が失業手当を申請した。夏までに米国の失業率が30%なるといううわさもある。
- 中国でさえ、失業率が公式発表で6%を超えており、これは記録が取られ始めてからは最高の水準となる(そして多くの人がこの数字はかなり低く見積もられていると考えている)。
- 世界人口の3分の1が、何らかの政府命令のロックダウンまたは、自宅待機命令の状態に置かれている。
- comが追跡した記録によると、過去30日間の民間航空便の7日移動平均(7日間で確認された1日あたりの平均航空便数)は1日あたり10万便から2万9000便へと71%も減少した。
これまでのところ、強硬な感染拡大防止策が取られ、そして概して人々が素晴らしく命令を順守していることで、新型コロナウイルスによって亡くなった人数は「たった」11万5千人だといわれている。全ての死が恐ろしい悲劇ではあるが、インペリアル・カレッジ・ロンドンのレポートによると、我々が見てきた政府の徹底した介入が無ければ、新型コロナウイルスは70億人(世界人口の90%)に感染し、今年だけで4,000万人が命を落としていた可能性があるという。
だから、ワクチンが開発され、使えるようになる(早くても2021年)まで、または相当な範囲の集団免疫が確立される(確実に2020年には起こらない)まで、我々には2つしか選択肢がない。
- 死者数を無視して、大々的に世界の経済を再開し始める。
- 人命を救うために、少なくとも一部の感染拡大防止策を維持し、世界経済が壊滅することを受け入れる。
他に選択肢はない。政府も社会も、後者を選ぶしかないし、選ぶだろう。
すぐに回復することはない。5月に再開しV字回復するという話は実現しそうにない。もちろん、再開に向けた一時的な動き、重大な動きさえもあるだろう。しかし死者数が増加するやいなや、政府は再び扉を閉めてしっかり鍵をかけることだろう。
前回:『COVID以後の世界1:新たに「COVID後」シリーズを開始』
次回:『COVID以後の世界3:新型コロナウイルスの影響を受ける4種類のビジネス』