2016年に発生したハッカーによる8,100万米ドル(約89億7,216万円)強奪事件に関連して、バングラデシュ中央銀行が、ソレアリゾート&カジノの運営会社であるブルームベリー・リゾーツの子会社、ブルームベリー・リゾーツ&ホテルズを初めとするフィリピンの多数の個人や企業に対して申し立てていた民事訴訟が米裁判所によって棄却された。
この有名な事件では、ハッカー集団がニューヨーク連邦準備銀行にあるバングラデシュ中央銀行の口座からおよそ10億米ドルを引き出すために35回の偽の送金指示を送った。同米銀は大半の指示をブロックしたが、それまでにすでに合計1億100万米ドル相当の五つの決済が処理されていた。バングラデシュ中央銀行は最終的にスリランカに送られた2,000万米ドルは取り戻したものの、フィリピンのリサール商業銀行に送金された8,100万米ドルは決済処理され、一部はカジノに流れたことで行方が分からなくなった。ソレアでは資金の一部がジャンケットルームでのゲーミングチップ購入とプレイに使用された。
バングラデシュ中銀はその後、損害を取り戻すために複数の被告に対してRICO(威力脅迫および腐敗組織に関する連邦法)法上の請求を開始したが、ブルームベリーは月曜、ニューヨーク州南部地区連邦地裁がRICO請求またはRICO共謀請求の原因を主張していないとして同請求を却下したことを明かした。
同地裁はまた、残りの州法請求に関する付加管轄権の行使も拒否したものの、「事物管轄権の欠如とフォーラム・ノン・コンビニエンス(不便宜法廷地)」を基にした被告の他の共同却下請求を拒否した。
この訴訟は、ハッカーがバングラデシュ中銀のシステムに不正侵入した結果として失われたと言われる8,100万米ドルを取り戻すために行われていた。