アジアを拠点にゲーミング施設およびクルーズ船を運営するゲンティン香港の経営陣は、役員報酬全額を放棄し、同社は2020年の残りの期間、ほとんどの管理職の賃金を最大5割カットすることで、新型コロナウィルスの世界的な流行の影響によって予想される損失の縮小を目指していく。同社は金曜、会長兼最高執行責任者であるリム・コック・タイ氏、副CEOのリム・ケオン・ホイ氏、グループ社長のコリン・オウ・フック・ユー(Colin Au Fook Yew)氏、そしてその他取締役の役員報酬およびその他手当は全額停止され、管理職には2割から5割の間の自主的な給与削減が適用されていることを発表した。ゲンティン香港によると管理職の9割がこの取り組みを支持しており、同社は1500万米ドル(約161,521円)、または「この年の陸地の給与/賃金のおよそ16%」を削減できたという。
給与カットの実施は、新型コロナウイルスへの直接的な対応として行われたもので、ゲンティン香港は、世界的な渡航制限とクルーズ船港の一時閉鎖によってクルーズ船のワールド・ドリーム号、ゲンティン・ドリーム号、スーパースター・ジェミナイ号、スーパースター・アクエリアス号、そしてスター・パイシス号の運航を停止している。
同社は金曜、2020年6月30日までの6カ月間のグループの純損失が、「2019年の同期間よりも大幅に拡大する」ことを予想していると述べた。
同社は、費用削減の次のステップには、契約を更新しないことによる乗員の削減、空いたポジションまたは退職を埋めないことによる陸地の従業員数の削減、全ての経費の削減、特に新型ウィルスへの感染を回避するために出張を減らすこと、そして自主的な無給休暇などが含まれることになると付け加えた。
ゲンティン香港は、「これら大荒れの海のなかで危険に備えるために全従業員、役員そして乗員が忍耐強く努力してくれていることに心からの感謝を表明する。特に、2020年2月初旬に1人の感染者も出すことなく確実にワールド・ドリーム号から乗客を安全に下船させることに関わったスタッフには感謝を伝えたい。
現在得られる情報を基に、経営陣は当グループが、費用削減のための努力や対策にもかかわらず、2020年上半期に営業損失を計上することを予想している。
新型コロナウィルスの流行が急速に拡大、展開しているために、当グループの業績への影響の程度は予想するのが難しい。
中国が仕事に戻り始め、オフィスや工場を再開しているという前向きな兆候が見られている。9割のスターバックスが営業再開を報告し、2020年3月9日に上海ディズニーリゾートが部分的に再開し、ゆっくりと景況感は改善してきている。
当グループは、この一時的な混乱の中、自社の事業を継続して注意深く見守り、グループの最大の利益のために計画を調整していく」と述べた。
ゲンティン香港はまた、リゾートワールド・マニラを運営するトラベラーズ・インターナショナル・ホテル・グループの持分による収益を除いて、損失が2018年の2.24億米ドルから、19年度は1.4億から1.7億米ドルの間に縮小することを予想していると報告している。