「カジノ管理委」初会合、事業者規制のルールづくりスタート

　IR運営事業者を監督する「カジノ管理委員会」が10日、初会合を開いた。主要メディアが伝えた。「世界最高水準のカジノ規制」を担い、ゲームの種類や顧客へのサービスに関するルールづくりを始める。目標である2020年代半ばのIRの開業に向けて準備する。野党はIR参入を巡る贈収賄事件を受け、IRの計画の凍結を求めており、20日に召集する通常国会で追及する方針だ。

　委員会は内閣府の外局として7日に設けた。委員長の北村道夫氏（元福岡高検検事長）のほか、精神科医や元警視総監ら4人の委員が就いた。北村氏は「中立性、公平性を旨に厳格な監督を実施し、カジノ事業の健全な運営を確保したい」と抱負を口にした。

　95人体制の事務局も10日に動き始めた。ギャンブル依存症対策を扱う総務企画部と、運営事業者の役員の経歴や資産状況を調べて免許の付与を審査する監督調査部で構成する。委員会が免許の付与や取り消しを決める際に補佐する。

　委員会は20年中にも事業者を規制するカジノ管理委員会規則の大枠を示す。ルーレットやポーカーなどゲームの種類のほか、飲食提供といった顧客サービスを含め200以上の規定を設ける。

　委員会はどこにIRを整備するかの選考には携わらないが、選定の基準づくりには関わる。国土交通省が1月中に示す予定の選定の基本方針について、事前に意見を出す。政府が昨年9月に公表した原案では、事業者の運営能力や経済効果など5分野の基準を示した。

　地方自治体は基本方針を踏まえて事業者を公募・選定する。21年1～7月の間に自治体と事業者が政府に整備計画を提出する予定だ。その後、国交相が設ける有識者会議や全閣僚が出席するIR推進本部で整備地域を協議する。最大で全国3カ所の地域が決まったのち、管理委員会が事業者の審査を始める。

　IRに詳しい東洋大大学院の美原融客員教授は「規制と経済活性化のバランスをとるため、一般からも意見を求めながら透明性の高い手順で規制のあり方を議論すべきだ」と話している。