フィリピンのゲーミング投資会社、レジャー・アンド・リゾーツ・ワールド(LRWC)は、カジノの新規開発への一時停止措置が最終的に解除された場合、ギャラクシー・エンターテインメント・グループとのボラカイでの提携を再検討するために扉を少し開けたままにしているようだ。
今週に入って、LRWCがリゾート地であるボラカイ島での5.5億米ドル(約598億円)のカジノリゾート開発計画を断念したことが伝えられた。フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領がその案を却下し、国全体で全ての新規カジノ計画の無期限禁止を実施してから約2年が経ってのこととなる。
ボラカイの開発用に、2018年3月にLRWCが購入した23ヘクタールの土地区画について、会長代理のエウセビオ・タンコ氏は以下のように述べたと伝えられている。「その土地区画を保持するつもりだ。ただ単に持ち続ける。単にランドバンキングしておく」
フィリピン証券所から明確な説明を求められたLRWCは火曜、ギャラクシーとの協議はむしろただ保留になっているだけであることを示唆したようだ。
同社は、「当社の会長であるエウセビオ・タンコ氏の伝えられている発言は、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領による一時禁止措置によって、ボラカイ計画に関してギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)との間でさらなる協議がないという事実をただ述べているだけだ。我々は、大統領の指示を守り続けるという姿勢を崩さず、この問題への大統領の命令に従っていく。また一方で、ボラカイにある土地の開発にむけた計画も一切決まっていない。しかし、LRWCは、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領によるボラカイ再活性化と浄化のための最近の前向きな行動によって、ボラカイの不動産価格が上昇し続けると確信しており、当社会長は当該不動産をランドバンキングすることはそれでもなおLRWCにとって価値を生み出すと信じている」と述べた。
ギャラクシー・エンターテインメント・グループのフランシス・ルイ副会長は、今年これまでに、Inside Asian Gamingに対して、まだLRWCとボラカイの提携関係を進めることに希望を持っていると話し、「まだ、現地の人々に誤解があることを理解してもらいたいと思っている。真実が伝わり、我々のプロジェクトがどういった形で大きなプロジェクトにならないかというのを理解してもらえれば、これがボラカイがかつて持っていたブランド力を活性化させるのに必要な種類のプロジェクトだと分かってもらえると確信している。ボラカイは常に世界トップ5に入るビーチリゾートの一つであり、我々は本当にその一部になりたい、そして我々はそこを確実に以前のような地位に押し戻していきたいと思っている」と語っていた。
ドゥテルテ大統領は、昨年、広がる汚染への対応策として、観光客に対してボラカイ島を6カ月間閉鎖していた。