マカオのゲームソースは、地元こそが未来の道であることを証明しようとしている。
マカオに住んでいるまたは訪れる人にとって、アジアのゲーミング中心地を構成する豊かな文化の数々は簡単に目にすることができる。数えきれないほど多くのコミュニティと文化の膨大な共同作業によって、多様なエコシステムが生み出され、そのシステムがマカオの急速な発展の鍵となってきた多くのスキルやテクノロジーによって、ゲーミング業界を育んできた。しかし、その大部分は外国の資産や知識に大きく依存した状態で行われてきた。そのような兆候を敏感に感じ取り、状況を変えることを目指す次世代の現地人たちがいる。マカオ生まれのテクノロジー企業、ゲームソースがまさにその代表格だ。
ゲームソースのアンソニー・イップCEOはこう説明する。「現地企業にとっての課題はそこにある。自ら進んで物まねをしたいのか?すでに成熟しているものに単に追随する、もしくはフレッシュなスタートを切りたいのか?
ゲームソースは困難な方を選んだ。困難ではあるが、刺激的な道。技術者として、または技術企業として、常にこの信念のために行動する。もしナンバー1になれないなら、しないほうがましだ。
地元の人、この地で暮らす才能あふれる人たち全員にとっての模範になりたいと思う。越えていくことができる。輸出することもできる。それは単に、我々が初めてゲーミング業界に取り入れている枠組みが、業界の助けになるのか、業界が別のレベルへと行く助けになり得るのかという問題だ。
私たちはそれが可能だと信じている。だからこそ一生懸命取り組んでいる。それは厳しく、困難だ。なぜなら他の誰かの枠組みに従えば、はるかに簡単だから。しかしそうなると私達の独自性がなくなる」 。
ゲームソースのCEOが言う独自性は、ゲーミング業界がコンピ ューターテクノロジーと関わる方法に確実に改革をもたらしてくれる。
イップ氏は続ける。「インターネットが世界を変えた。私たちは、テクノロジーを使って可能にさせ、何か新しいもの、新しいゲーミング体験、古い技術の枠組みが実現できないものを作り出すことによってビジネスパートナに成功のチャンスを与える」。
ゲームソースは、ゲームディベロッパーからカジノ事業者そして規制機関までも、その全てにとって中心的な機能を果たすことで、本質的にマーケットを開くプラットフォームの開発に取り組んでいる。ゲームソースを使用してゲームを制作することで、ディベロッパ ーは、規制上のコンプライアンス達成を狙いにしたRNG(乱数発生器)、マネーロンダリング対策セーフガード、デジタルウォレットなどのコンプライアンス承認を受けた一連のモジュールにアクセスすることができる。一方で、ゲームソースはクラウドベースのゲーミングアプリストアでもあり、事業者に素早くかつ簡単にゲームにアクセスする手段を提供している。
イップ氏は「マカオの人々はこの業界についてたくさん学んできたが、我々がマカオ経済の話をする時、ゲーミングビジネスの観点からでは常に限界がある。我々には単にカジノでのサポート的な役割または操作面での役割を続けていく。またはサプライチェーン全体で何か違うことをするという選択肢がある」と語る。
しかしながら、ゲーミング業界の伝統的な領域に嵐を巻き起こすのは容易なことではない。そしてゲームソースが開発しているものの一部は、彼らが持ち込んでいるテクノロジーの認識を変えることに関係している。後に、ゲームソースにゴーサインが出される前、同社はマカオの規制当局から本格的な調査を受けた。
「政府に証明しなければならなかったことの一つは、我 々が高い基準を設定しているということだった」イップ氏は言う。「そしてさらに重要だったのは、2つの点に関する彼らの見方を変えること。1つ目がマカオの人々がそれを実現できるということ。そして2つ目が、我々が新しいテクノロジーを配備することで新たな基準を作り出せるということ。
彼らの物の見方を少し変えることに成功したために、今彼らは新テクノロジーが実際みんなを助けていることを認めているのだと思う。
この一連の流れはマカオを待ってはくれない。世界的な変化である。テクノロジーが世界を変え、みんなの生活を助けている。好むと好まざるに関わらず。
マカオでそれを実現したいか?地元のベンチャー、地元の人々にとってのチャンスだ。何もしなければ、外の誰かが代わりにやるだろう」。