格付け機関のフィッチは、世界的カジノ大手、ラスベガス・サンズがレバレッジ率に大きな影響を与えずに日本で大規模統合型リゾートを開発できる能力に関して「信頼が増して」いると説明した。
この評価によってフィッチはLVSとその子会社の長期発行体デフォルト格付(Long-Term Issuer Default Ratings)を「BBB-」とし、LVSとサンズ・チャイナが保有する担保付シニア債にも同じ格付がされている。
ラスベガスに拠点を置くLVSに対する前向きな展望を発表したフィッチは、この評価の背景には「LVSが日本IRなどの大規模開発を、レバレッジの信用基準を長期的に大きく悪化させる、または流動性を不足させることなく吸収することができるという同社に対する信頼が増したことがある。東京または横浜でのプロジェクトを合理的に想定する中で、もしLVSがライセンスを勝ち取ることができれば、フィッチはLVSが形式上のグロスレバレッジ比率を3.0倍以下に維持できると考えており、より保守的なシナリオでは、相当の期間(1年から2年)、レバレッジ比率を3.0倍以下にできる位置にいる」と述べた。
同社はすでに既存のアジアIRでの55億米ドル(約5,956億円)の設備投資に乗り出しているにも関わらず、フィッチはLVSに信頼を置いている。設備投資の内訳はサンズコタイセントラルをザ ロンドナー マカオに変化させるための22億米ドル、そしてシンガポールのマリーナベイ・サンズの拡張のための33億米ドルとなっている。
フィッチは、「LVSは日本でのIR入札において好位置につけているが、早くても2022年までは日本での大きな設備投資に関わる資本支出が行われるとは予想していない」と述べた。
とりわけ、同格付け機関は、LVSに残された主な信用リスクとして、マカオの6つのゲーミングコンセッションの2022年の期限切れを挙げつつも、「コンセッションが延長されないというリスクは非常に可能性は低い。より可能性の高いリスクは、LVSが増税、コンセッション料の支払いまたは大幅にROIの低い投資への政府からの呼びかけなどの財政的負担を伴う延長条件の対象になることだ。フィッチは、政府は2022年に期限切れを迎えるゲーミングコンセッションの更新にはプログラム的アプローチを取ると見ている。ゲーミングは雇用と税収の主な発生源であり、コンセッション保有社、特にLVSは、政府の中間レビューで高得点を獲得している」と述べた。