Inside Asian Gamingは、マカオのゲーミング機器メーカー協会の会長であるジェイ・チュン氏に、今年のMGSエンターテイメントショーやマカオのゲーミング業界の現状について話を伺った。
ベン・ブラシュク: 2019年の 「MGS エンターテイメントショー」を訪れた来場者は、どんなことに期待できるでしょうか?
ジェイ・チュン: 今年の来場者は、CTMがサポートする5Gエクスペリエンスセンター、中華人民共和国商務省貿易開発局がサポートする中国国際輸入博覧会ゾーンなど、より刺激的で多様な要素に期待でき、ICBCマカオとのMGSサミットが共催されます。
これらすべての新しい要素に加えて、多くの新しい出展者がシ ョーフロアに参加し、最新の製品を展示する予定です。MGSサミットは、アジアやその他の地域のIR業界について詳しく知ることができる、参加すべき絶好の機会だと思います。MGS 2019は、ゲーミング、レジャー、エンターテイメントからテクノロジーやバーチャルリアリティに至るまで、多くの新製品の未来を紹介するため必見です。
BB: 去年までのショーとの違いは何ですか?
JC: MGS 2019は、これまでよりもはるかに勢いがあります。マカオSAR政府のさまざまな部門がMGSを特別に支援し、今年は中央政府だけでなく、より多様なパートナーからのサポートが得られました。
MGS 2019は、サプライヤー、ゲーミング事業者、ホスピタリティ部門、およびエンターテイメント業界の他のメンバー間の「コミュニケーションのプラットフォーム」であり続けます。
私たちのショーは、業界の変化に合わせて進化し続けるため、高い関連性が保たれ、また、アジアや世界のゲーミング、レジャー、エンターテイメント、テクノロジー業界が、ビジネスを前進させるための適切な展示プラットフォームとしてMGSを信頼しています。
BB: 今年のサミットでは、何に主な焦点が当てられますか?また、講演はどなたが務めるのでしょうか?
JC: アジアでの最初の多元的レジャー展示会として、MGS 2019はビジネストレーディングのプラットフォームを提供し、MGSサミットは、eスポーツ、金融テクノロジー、レジャー、ゲーミング、エンターテイメント、IRなど、さまざまな業界セグメント向けの情報プラットフォームを提供します。
昨年、MGSサミットで講演者として日本から多くのIRの政府関係者を迎え、彼らのIR開発計画に関する最新の展望を聴衆と共有でき、光栄に思いました。今年も彼らを招き、日本のIRが引き続き世界的に主な焦点になると考えられるIR開発拠点の潜在的な「ホットスポット」に関し、意見を共有していきます。そしてもちろん、独自の資源の優位性を最大化する方法や、グレーターベイエリア(GBA)および「一帯一路」開発に参加する方法に関するトピックが用意されています。
BB: MGSは今年で7回目の開催となりますが、長期に渡り開催する秘訣は何でしょうか?
JC: MGEMA(マカオゲーミング機器製造業者協会)は、MGGSの主催者であることに加え、マカオSARのゲーミングおよびエンターテイメント業界を代表して、促進やサービス提供を目標とした、マカオに拠点を置く業界団体です。当会の会員は、SAR経済への最も重要な貢献者であり、MGSの開発や長期運営における中心的存在です。
彼らはショーフロアで最高の新製品を宣伝し、MGSに参加およびサポートする形で、マカオのゲーミング業界の発展をさらに支援します。MGS 2019は、マカオ特別行政区にある中央人民政府のリエゾンオフィスの経済部が引き続き率いていき、これは大変な栄誉です。また、マカオ特別行政区の各種部門からも素晴らしい支援を受けてきました。
マカオに根付くあらゆる事業者は、MGSを信頼しており、MGSの各ショーに大幅な改善が見られるよう、とても協力的です。
BB: MGSの今後について、どう考えていらっしゃいますか?
JC: MGSは将来的に、ゲーミング業界の発展における革新や先駆的なショーを代表するB2Bトレードショーになると思います。私たちは、MGSをこれからもIR業界向けにアジアで傑出した専門的な見本市としていき、グローバルなIR業界へとさらに拡大することを最終目標としています。
BB: マカオのゲーミング業界の現状について、どう思われますか?
JC: 私個人の観点から言えば、2019年下半期のゲーミング粗収益はおそらくマイナス成長になります。公式統計によると、マカオの総ゲーミング粗収益は2019年最初の8か月間で前年と比べて1.9%減少しましたが、ゲーミング収入の状況は来年から改善すると確信しています。
また、来年は中華人民共和国の建国70周年と同年第4四半期にはマカオの祖国返還20周年を迎え、さらには多くの祝賀行事が行われるため、観光客数が増えるでしょう。したがって、ゲーミングおよびエンターテイメントの収益は増加するはずです。
アジア随一のゲーミングの中心地であるマカオは、革新や開発面でゲーミング業界のトップになる可能性を秘めています。
BB: 最近の中国の景気減速、米中貿易戦争、香港での抗議活動によってマカオが直面している逆風を懸念されていますか?
JC: 統計的に言えば、マカオへのインバウンド訪問者はまだ安定しており、今の所はゲーミング市場への損害や影響はありません。私は、香港政府に状況を解決する能力があると大きな自信を持っています。そして、米中貿易戦争については「静観」していきます。
BB: ジャンケット業界は過去数カ月に渡り、中国とオーストラリアの両方で悪評を浴びていますが、その状況についてどう思われ、またマカオのゲーミング業界の長期的な将来に対し、ジャンケットがどれほど重要であるとお考えですか?
JC: 私個人の観点からすると、マカオにはマネーロンダリング防止のための厳格な法律や規制があり、最も厳しい管理下にあります。したがって、マカオのジャンケットは健全な形で成長と発展を続け、マカオのゲーミング業界の長期的な将来に対し、依然として重要な役割を果たしていくと信じています。
BB: マカオが真の観光とレジャーの世界的中心地となるためには、何が必要でしょうか?
JC: マカオは、美食の創造都市としてのマスタープランをさらに深め、その焦点を観光地経営組織へと広げられると思います。「交流と革新」を通じて、マカオは地元のマカネーゼ料理の継承や革新を強化し、国際的な美食イベントを主催および支援することにより、世界の他の創造都市と分野を超えた協力と交流を行うことができます。
サービス業界は、マカオのもう1つの主流業界でもあります。サ ービスの質やLRTシステムなどの都市交通計画を改善することで、マカオを観光とレジャーの世界的中心地としてより発展させられるでしょう。