ラスベガス・サンズ(LVS)が、マイクロソフト社のグローバルバイスプレジデントである厳旋(Xuan Yan)氏を取締役会の新役員に任命したことを発表した。この任命は即時発効となる。
厳旋氏の役割や背景にある理由に関する詳細は一切明かさなかったが、LVSは同氏をマイクロソフト社の大中華圏経営幹部と説明し、同氏がこれまでに中国にある他の複数のグローバルテクノロジー企業で幹部職を歴任してきたことに言及した。
厳旋氏の任命は戦略的なものであると見られており、米中貿易戦争をめぐる懸念が続いていること、そして2022年にマカオのカジノコンセッションの再入札が迫っていることを考えると、同社のマカオでの利害を守るためである可能性が非常に高いと思われる。
とりわけ、6月の厳旋氏と中国国際貿易促進委員会(CCPIT)との会合の際には貿易の緊張関係が話題の中心にあがっていた。
CCPITの高燕(Gao Yan)会長は当時、「マイクロソフトの中国での実績は、米中の密接な協力がマイクロソフトなどの米企業にもたらした利益の良い例である。米国が引き起こした貿易摩擦は、中国企業だけでなく米企業にも影響を与えるだろう。マイクロソフトやその他の米有名企業が中国での発展の成功物語を世間に広め、CCPITと協力して堅実かつ安定した米中経済および貿易関係の発展を促進することを願う」と述べた。
LVSは厳旋氏に15万米ドル(約1,623万円)の年間報酬を支払う予定であることを明かした。