メルコリゾーツ&エンターテインメントでは、2019年6月30日までの3か月間の営業収益が17%増の14.4億米ドル(約1,556億円)にのぼり、調整後プロパティEBITDAは過去最高の4億4,220万米ドルに達した。この背景には旗艦施設であるマカオのシティー オブ ドリームスで続く成長とスタジオシティでのマス市場の好調な業績があった。
シティー オブ ドリームスでは営業収益が36.9%増の7億9,080万米ドル、調整後EBITDAは46.2%増の2億5,080万米ドルのプラス成長となり、VIPとマスセグメントの両方が大幅な伸びを見せた。19年第2四半期のローリングチップ取引額は前年の105億米ドルから149億米ドルに増加し、ウィン率も2.88%から3.16%に上昇した。マステーブル・ドロップ(掛け金総額)も13.7億米ドルへと16.2%増加し、ホールド率が28.4%から31.6%に上昇した一方で、EGMの取扱額はわずかに減少の10.4億米ドルとなった。
スタジオシティでは、幸運に後押しされて営業収益は3億2,890万米ドルへと4.7%の増加、調整後EBITDAは9,480万米ドルへと29.5%増加した。VIPローリングチップは61億米ドルから31億米ドルへと大幅に減少し、メルコは「マカオ市場全体でのVIPの鈍化の影響を受けた」と説明した。ウィン率は2.66%から2.76%へと上昇した。マステーブル・ドロップは7.7%増の8億7,700万米ドルに増加し、ホールド率は12か月前の24.5%から大きく上昇し29.2%となった。同時にEGMの取扱額も6億3,090万米ドルへと増加した。
フィリピンのシティー オブ ドリームス マニラでは、VIPでの例外的な幸運だけが要因となって営業収益が1億7,610万米ドルへとほんのわずかに増加した。調整後EBITDAは8,730万米ドルから8,280万米ドルへと減少した。シティー オブ ドリームス マニラのローリングチップ取引高は、18年第2四半期の30億米ドルから今期は19億米ドルへと減少したが、ウィン率が3.70%から5.21%に改善したことで予想されていた2.85%から3.15%というローリングチップウィン率は優にクリアした。マステーブル・ドロップは1億9,690万米ドルから1億9,280万米ドルへと減少し、EGM取扱額は9億4,510万米ドルへと10.4%増加した。
マカオに話を戻すと、アルティラでは収益が1億430万米ドルへと18.0%の減少、そして調整後EBITDAは850万米ドルへと53.6%の減少となり、メルコはローリングチップの取引額の低迷を理由に挙げた。モカクラブでは営業収益は横ばいの2,890万ドルとなった。
シティー オブ ドリームス マカオがトップを走り、スタジオシティでマスの素晴らしい業績が見られたことから、サンフォード C・バーンスタインのアナリストはメルコが全体で前年比220bpsのマーケットシェアを奪うと予想し、その中にはVIPマーケットのシェア130bpsとマスマーケットの375bpsが含まれている。全体的に改善したVIPのホールド率が、EBITDAの5,300万米ドルという数字にプラスの影響を与えたと同社は説明した。
メルコは四半期配当金を普通株1株当たり0.05504米ドルへと6%増加させている。