ドナコ・インターナショナルの共同創業者、ジョーイ・リム氏は、オーストラリアの買収委員会が火曜に株式買付が受容できない状態で行われたと宣言したことで、アジアの投資会社、オーチャード・キャピタル・パートナーズ(OCP)への9.71%の株式売却を阻止することに成功した。
OCPは2018年12月7日から31日までの間に9.71%の株式の市場買付を行っており、時期を同じくしてリム氏が支配するトータル・アルファ・インベストメンツ(アルファ)との債務支払い不履行を巡る交渉が膠着状態に陥っていた。今回の宣言はその件に関して発表されたものとなる。
2017年5月にアルファから元本総額3,430万米ドル(約37億9,851万円)の担保付き優先社債の発行を受け、ドナコ株の株式オプションも与えられていたOCPは、最終的に2019年2月に同社に持つ27.25%の株式の担保権を実行し、ドナコへの合計保有比率をほぼ37%に引き上げた。それに対してリム氏はオーストラリアの買収法に違反するとして異議申し立てを行った。
リム氏の判断に同意する形で、買収委員会は今週、OCPがドナコ株の27.25%に担保権を保有していたこと、アルファが債務不履行に陥っており、OCPがドナコに相当の持分を取得する前の同社の行動には状況を公にすることを回避する効果があったことをマーケットは認識していなかったことから、市場買付が行われた状況は受容できないという裁定を下した。
委員会は2018年12月7日から31日の間にOCPが取得したドナコの9.71%の株式をベスティングする命令を下している。
祖父でありゲンティン・グループの創業者、林梧桐氏と共に2002年にドナコを創業したリム氏は、長期にわたる休業の末に専務取締役兼CEOの役職から解雇されたがドナコの取締役会には留まっている。