ウィン・リゾーツは、火曜朝にオーストラリアでカジノを運営するクラウンの買収の可能性のニュースが流れた後で、クラウン・リゾーツの買収を模索する動きを打ち切った。
昨夜発表された文書の中でウィンの広報担当、マイケル・ウィーバー氏は、「準備段階の協議が中途半端に明らかになったことを受けて、ウィン・リゾーツは一切の取引に関してクラウン・リゾーツとの協議を全て終了した」と述べた。
ウィン撤退の前にはクラウン・リゾーツが米業界大手のウィンと内密の協議を行っていることを認めていた。
火曜早朝にInside Asian Gamingが伝えた通り、ウィン・リゾーツはオーストラリアに上場するクラウンの株主が買収提案を快く受け入れるかどうかを見るために、クラウンに対して買収を打診していた。
その直後にオーストラリア証券取引所に提出した報告書の中でクラウンは、今回の案ではウィンが50%を現金で支払い、残りの50%をウィンの株式で支払うというスキームを通じてウィンがクラウンを買収することが提案されていると明かした。
クラウンは「現在、企業価値評価の一株当たり14.75豪ドル(約1,170円)という取得価格、そしてがウィン株の出来高加重平均株価を使用して取引合意発表直前に交換比率を固定することが提案されている。提案が行われた時点では、ウィン株の出来高加重平均価格は、クラウン株一株当たり0.042ウィン株という交換比率になることを示していた。取得価格の条件についてはまだ合意に至っていない」と説明した。
クラウンはウィンからの最新の提案をまだ検討していないこと、そして今後の買収についてはクラウンの取締役会が推奨し、ウィンが必要な承認をすべて得ることによって決まってくると付け加えた。
クラウンは、「クラウンとウィンとの協議は準備段階であり、両者間ではその構造、価格そして取引条件に関して一切合意には至っていない。これらの協議が取引につながるという確証はない」と述べた。
クラウン・リゾーツはクラウン・メルボルンとクラウン・パースを運営しており、現在22億豪ドルをかけて高級路線のクラウン・シドニーをバランガルーに建設中で、2021年の完成を予定している。
同社はウィンとの間ですでにいくつかの取引を行っており、2017年12月にはラスベガス・ストリップのウィン・ラスベガスに隣接する土地の34.6ヘクタールの区画を3億豪ドルでウィンに売却している。その土地は以前クラウンがアロン・ラスベガスという統合型リゾートの建設用に購入していたが、現在そのコンセプトは消滅している。