上告裁判所の画期的な判決に基づき、マカオのカジノ事業者は、廃業したジャンケットが残した債務に対して連帯責任を負う可能性がある。
マカオラジオテレビ(TDM)の報道によると、マカオ終審法院(TUI)は先週、中級法院(控訴裁判所)が2018年に下した判決を支持したと伝えた。この判決でウィンマカオとジャンケットプロモーターのドレ・エンターテインメントは、VIP顧客に支払うべき債務600万香港ドル(約8,793万円)の返済について連帯責任を負うと認定されている。
この債務は、2015年にウィンマカオでのドレのVIPルームから7億香港ドル(約102.5億円)もの高額な盗難に関連している。この盗難に続き、4人のプレイヤーがジャンケットに預けたと主張する合計6,400万香港ドル(円)を求めて裁判を起こした。しかし、その入金を証明する受領証を提出できたのはそのうちの1人だけであり、その後、初級法院・行政法院(第一審裁判所)はドレが彼に600万香港ドル(約8,793万円)を支払う責任があるという判決を出した。
2018年、中級法院はその判決を覆し、代わりにウィンとドレが連帯で責任を負うとの判決を下した。現在、マカオの終審法院はこの判決を支持している。
この判決は、以下のように読める。「コンセッションを構成する活動の発展のために、ゲーミングプロモーターを契約実体に含める必要があることは明白であるようだ…同様に明らかなのは、これが合法な公的関係性であるということであり、コンセッション保有者の公法制度への絶対服従を特徴づけている。
現行の法律では、「コンセッション保有者の第三者に対する非契約上の連帯責任」は除外されていない。
もしジャンケットプロモーターが破産し投資家に未払いの債務を残した場合、コンセッション保有者が責任を問われる可能性があるという通告を考慮すると、この決定は業界に大きな影響を与える可能性がある。
マカオのVIP産業はここ数年衰退しており、ゲーミング監察協調局(DICJ)の数字によれば、2021年1月現在で認定されたプロモーターはわずか85社であった。これは2006年の認定数の77社以降、最低である。
認定事業者数は2013年にピークとなる235社に達したが、2020年1月に認定された95事業者のうちの10社の撤退を含め、過去8年間のうち7年連続で減少している。
新型コロナによる感染拡大が国内旅行に与える影響と中国による国境を越えたギャンブルの取り締まりを考えれば、この減少傾向は続くと予想される。
Inside Asian Gamingが報じたように、VIPバカラの21年第3四半期のゲーミング粗収益は、わずか59.6億パタカ(約848億円)で、2019年同時期は310.9億パタカ(約4,422億円)であった。その上、マカオのゲーミング収益の占有率は31.5%まで低下し、2011年の占有率73%の半分以下となった。