長崎県が選定しなかった2者のうちの1者であるOshidori International Holdings合同会社(以下オシドリ)が、正式な「公文書開示請求書」を8月13日(金)に、その2回目を9月1日(水)に提出したようだ。
どちらの請求も長崎県情報公開条例に基づき、中村法道長崎県知事宛にオシドリの弁護士が作成・提出したもの。
いずれの請求も、「(同県の判断の)根拠となった」「文書、写真、電磁的記録」などの「資料」を求めている。8月13日の請求では、「長崎県が依頼した調査会社が発行した廉潔性調査の報告書」と「長崎県の顧問が行った助言の内容」の公開を求めた。

具体的な請求の内容は、カジノ・オーストリア、NIKI、オシドリの「廉潔性調査」の公開である。
9月1日の請求では、2016年1月1日から2021年8月31日までの間に、同県とカジノ・オーストリアおよびまたはその代理人やアドバイザーらとの間で行われた「すべての会合」および「すべての会食」の「記録(日時、参加者、議論の内容を含む)」の公開を求めている。
同県が選定しなかった2者は、RFP(事業者選定)のプロセスが公正に行われなかったと主張し、審査委員会へのそれぞれの最終プレゼンテーションの前に辞退を求められたとしている。これは現在進行中のIRプロセスに関する混乱の新たな展開だ。オシドリはこのプロセスを「不当行為」と呼び、NIKIは「非常に問題がある」と表現している。
IAGが入手し、NIKIが正確であると確認した議事録によると、NIKIの代表取締役であるDr. Ku Shinは、7月27日に行われた同県の代表者との緊迫した会合の最後に「…法的措置をとろう…」と述べている。今回の事態を受けて、オシドリの法的措置も検討されているようだ。
オシドリとNIKIからの抗議は、8月10日(火)に同県のIR事業者としてカシノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパン(CAIJ)がオシドリの682.8点とNIKIの667.1点を上回る697.0点で選定されたことを受けてのもの。同県は8月30日(月)にCAIJと「基本合意書」を締結した。