予断を許さない状況になってきた。横浜市が進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の賛否を問う住民投票条例案を直接請求した市民らが、今夏の市長選に向け新たな団体を設立した、と毎日新聞が伝えている。
IRに反対する候補の支援が目的。世話人の小林節・慶応大名誉教授らが16日に横浜市役所で記者会見し、野党各党に働きかけ、統一候補の擁立を目指す考えを明らかにした。
団体名は「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」。直接請求に向け、署名活動した団体で共同代表だった小林氏や、誘致に反対する港運事業者が集まる「横浜港ハーバーリゾート協会」(藤木幸夫会長)の水上裕之氏ら約20人が参加した。
会見で小林氏らは約19万筆の署名が集まり直接請求された条例案に林文子市長が反対意見を付し、市議会が否決した点を問題視。候補者に「カジノに反対し、住民自治を尊重する」ことを求める。
市長選には市議でIR反対派の太田正孝氏が出馬の意向を表明。林氏は態度を明らかにしていない。
横浜IRを巡っては市が「IR事業を正確に知っていただくため」に85万部発行した広報誌が反対派議員から批判の対象に。IR予定地の山下ふ頭にある倉庫の移転交渉が現時点で半数にとどまるなど、問題山積だ。