クリエイティブなEGMを精力的に世に送り出しているセガサミークリエイション。
今回IAGは、6月にビデオスロット『Virtua Fight-er』(VF)をベトナムの「Macau Gaming Club」に設置するなど、世界のEGM市場でシェアを狙うゲーミング大手、セガサミーホールディングスのカジノ販売会社であるセガサミークリエイションの開発本部長・山本理樹氏と、営業部マネージャー・佐 々木勇人氏に話を聞いてみた。
上村 慎太郎:まずは、新型コロナの影響はどうでしょうか?
佐々木勇人:現在、各カジノにお客様が入れていない状況が多いのでカジノからの注文が入らなくなっています。また、(コロナの影響で)各国政府の動きがスローになっていますので、方々でプロジ ェクトの遅延が出ています。しかしこれはどのメーカーも同じだと思います。
上村:今回、VFをスロットのモチーフに選んだ理由は何でしょう?
山本理樹:VFは世界初の3D格闘ゲームで、世界的に売れたゲームです。なので、世界に通用するコンテンツだと思いました。3,000タイトルくらいの候補から10数個まで絞った中の1つです。
VFやHOUSE OF THE DEADは実際にゲームをプレイしていた40 〜50代がターゲット層で、今でも新しいシリーズが出てますから、若いゲーマーにも広まれば良いなと考えています。
上村:非常に日本のパチスロを意識したゲーム性だと感じます。
佐々木:5ラインで、パチスロ的なアミューズメント性を持つ作りになっています。「フリーゲームが長く、インカムが落ちてるのではないか」とカジノ側に言われたりもしました。自分達がやりたいパチスロ的なアミューズメント性の部分とインカムの部分をどう天秤にかけていくか、そこが次の課題です。
山本:でも、ここで諦めるつもりは全然無くて、カジノで長く滞在してもらうにはそういうゲーム性は必要だと思っています。少しずつオペレーターとユーザーの意見を聞いて改善していきたいと思っています。
上村:日本にIRが出来たらパチスロ的なゲーム性はヒットするのでは?
佐々木:はい。そこ(日本版IR)では絶対にリードしたいところです。
もちろん他社も開発しているでしょうが、我々は日本で開発しているという自負もありますし、絶対に負けたくはありません。もちろん既存のパチスロをモチーフにしたものも開発しています。
山本:日本にIRができても3カ所です。仮に、そこに3,000台ずつスロットが入っても9,000台。マーケット的には小さい。しかし、日本で人気が出て海外からの訪問客を通じて『日本にはこんなに面白いコンテンツがある』と話題になれば、海外のマーケ ットに売り込めるチャンスはあります。そうなれば日本のメーカーも強くなれるかなと思います。マーケットニーズに合ったもの、そして僕らがやりたい事をちょっと足していく感じです。

上村:新社長兼CEOに就任されたスコット・ウィンゼラー氏の理念ですね?
山本: そうです。『まずはコアに刺して、それから自分達のやりたい事だ』と彼は常々言っています。 元々彼はIGTで日本のパチスロに関わっていたのでパチスロに関しての話も良く理解していると思いますし、考え方も非常に参考になります。
上村:テーブルゲームも数多く出されていますよね?
佐々木: MAXIMAM FORTUNEシリーズでバカラやルーレット、シ ックボーなどがあります。バカラは”しぼり”をボタン操作で行うことが出来ます。シックボーもサイコロの目を”しぼる”ことが出来ます。ルーレットでは、当たっている時の一部で画面上でドラゴンのランプが光る、パチスロ的演出の『当たりを先告知』する機能もついています。
上村:テーブルゲームは主にGENESIS SLANT筐体、スロットは主にGENESIS STAR筐体で出していますが、故障が少ないと評判のようですね。
佐々木: 故障率は非常に低いです。おかげでメンテナンス業者が暇だと言ってました(笑)。箱物はパチンコ、パチスロ、アミューズメント、コンシューマーとそれこそ何千万台も作ってきていますから、自信があります。営業ではいつも声を大にしてアピールしています。