ラスベガス・サンズ(LVS)では、コタイの全施設でのプラス成長、そしてマス市場での好調が続いたことに後押しされて、2019年第1四半期はマカオ事業からの収益が8.1%増加し、23.3億米ドル(約2,609億円)にのぼった。
マスとVIPの収益内訳は公表されていないが、LVSのシェルドン・アデルソン会長兼CEOは、前年同期間と比べてマス収益は13%のプラス成長となり、調整後プロパティEBITDAは8億5,800万米ドルにのぼったことを明かした。
コタイストリップが好調な業績を上げ、ザ・ベネチアン、ザ・パリジャン、サンズコタイセントラル、そしてザ・プラザマカオの全てがプラス成長を示した。
ザ・パリジャン・マカオは、サンズ・チャイナのポートフォリオの中で最大の成長を記録し、幸運に後押しされて収益は26.5%増の4億5,400万米ドル、そしてカジノ収益は33%増の3億8,700万米ドルとなった。VIP総額は大幅に減少し、14.8%減の39.2億米ドルとなったものの、控除率が2.77%から4.63%に上昇した。同様に、マステーブル・ドロップ(掛け金総額)では、5%とわずかな成長で11.4億米ドルにとどまったが、控除率は23.1%に改善した。
ザ・ベネチアン・マカオでは、施設全体の収益が3.3%増の8億9,700万米ドルとなり、その中でカジノ収益は3.4%増の7億4,000万米ドルとなった。ローリングチップはこちらも4.6%減となる75億米ドルに減少し、控除率も低下したが、マステーブル・ドロップは、控除率の23.7%から28.5%への大幅な上昇による追い風を受けて、22.7億米ドルに増加した。スロット掛け金は6.5%増の8億9,100万米ドルとなった。
サンズコタイセントラルでは、両セグメントでの幸運が重なり、純収益が5.1%増の5億7,700万米ドル、カジノ収益は6.5%増の4億4,500万米ドルにのぼった。VIPローリングチップ総額が19.2%減の19.4億米ドルに、マステーブル・ドロップが3.5%減の17億米ドルに落ち込んだ一方で、控除率はそれぞれ4.69%(3.43%から上昇)、そして23.8%(21.4%から上昇)に改善した。
皮肉にも、ザ・プラザマカオだけが、マスが増加、VIPが減少という前述の傾向とは逆の結果となった。VIPローリングチップは46.9%増の44.9億米ドルを計上し、一方でマステーブル・ドロップは14.4%減の3億5,600万米ドルとなった。純収益は17.3%増の2億2,400万米ドルにのぼった。
サンズ・マカオでは、VIPとマスの両方で総額が上昇したにもかかわらず、運に見放されたことで、カジノ収益は2.1%減の1億3,900万米ドル(約155億6,930万円)にとどまった。実際、ローリングチップは33.9%増の12億米ドルとなったが、1.86%という低い控除率に苦戦することになった。
シンガポールでは、収益が前年比12.0%減の7億6,700万米ドル、カジノ収益は16.6%減となる5億4,400万米ドルに落ち込んだ。両セグメントでマイナス成長となり、VIPローリングチップ総額は3.3%減の71.3億米ドル、そして控除率も4.77%から3.13%へと急降下した。マステーブル・ドロップは3.9%減の13.4億米ドルとなり、控除率は21.2%へと微増した。
同社は業績発表の中で、ここ数か月間闘病生活を送るサンズ・チャイナのシェルドン・アデルソン会長兼CEOがサンズ・チャイナが現在行っているマカオでの開発の進捗を称賛するコメントを引用した。
アデルソン氏は、「フォーシーズンズ・タワースイート・マカオとザ・ロンドナー・マカオの建設・開発作業が進んでいる。豪華ホテルスイート、高級ブランド店、MICE施設の収容可能人数、そして娯楽設備の追加への投資が追い風となって、マーケットをリードする相互につながった当社のマカオポートフォリオが我々を非常に良い立ち位置へと押し上げてくれ、継続してマカオ経済の多様化に貢献し、今後何年にもわたって成長を届けることができる」と述べた。