マカオのゲーミング粗収益(GGR)は、VIP部門のホールドが極端に少なかったことにより、11月8日(月)から14日(日)までの7日間で前週比18%減となった。
証券会社バーンスタインが発表した週間GGRによると、マカオへの訪問者数は比較的横ばいであったにもかかわらず、1日の平均売上高は1億9,400万パタカ(約27億6千万円)で、11月第1週の2億3,500万パタカ(約33億4千万円)から減少。
同社のアナリストであるヴィタリー・ウマンスキー氏、ルイス・リー氏、ケルシー・チュー氏は、「先週、マカオのVIPホールドは1.5%を下回った可能性があり、今月は2.2%前後で推移しており、通常の3%前後のレベルを大きく下回っている。これは、1日平均GGRの数字にマイナスの影響を与えている」とコメント。
「月間では、VIPの1日平均ローリング量は(10月比で)80%増加しているが、ホールド率は平年を下回り、GGRにマイナスの影響を与えている一方、1日のマスGGRは50%増加している」。
同氏らは、11月1日から14日までの月間GGRは30億パタカ(約427億円)、ADRは2億1,400万パタカ(約30億円)で、2019年11月に比べて72%減少したが、10月に比べて52%増加したと推定した。
特に、中国本土の複数の省で新型コロナが発生したにもかかわらず、訪問者数は非常に好調で、1日平均の訪問者数は52,000人を超えている。これは10月と比較して159%増、9月と比較して20%、ピーク時の5月と比較しても9%の減少にとどまっている。
同社は、「マカオの訪問者数は、10月19日に検疫が解除されてから、溜まっていた需要に支えられて好調に推移している」と述べた。
「しかし、中国で新たな感染の波が発生したことで、マカオは中国16省の30以上の市や区に検疫義務を課している。これは、GGRの回復を妨げる可能性があるため、引き続き注意が必要だ」。
「11月のGGRは2019年11月と比べ、高くて60%減少すると予測しており、(始まったばかりの)GGRの改善は12月と1月にも続くだろうが、より大きな渡航制限の撤廃は来年まで見込めない」。